理想の学校がないなら、つくろう

 「現時点で自分にとっていいスクールがないのであれば、自分が一番いいと思うスクールを、自分の子どものためにつくれないかと思うようになったんです。まだ子どもがいない私なら、自分が子育てをするときまでに準備をしてつくることはできないだろうか、と。私は昔から子どもも英語も大好き。遅咲きながらも英語力を伸ばすためのノウハウも身につけてこられたので、挑戦してみることはできるのではないか、と。」

「起業を決めた最初の理由は、誰かのためにというよりも、自分の(子どもの)ために、が第一でした(笑)」
「起業を決めた最初の理由は、誰かのためにというよりも、自分の(子どもの)ために、が第一でした(笑)」

 一方で、「地方の選択肢のなさ」には課題感をずっと持っていた岩崎さん。それが起業へのスピードを加速させることにもつながった。

地方の「選択肢」を増やしたい

 「私自身、仕事を探すときに、地方での『選択肢のなさ』に悩んだ経験があります。仕事でも学校でも、『仕方なくここに行く』ではなく、できるならもっと、『自分で主体的に選んだ』と前向きに選べる場所がもっと増えてほしい。私自身が一度陥ってしまったように、『地方だから仕方ない』『東京だったらもっといい学校に行けたのに』と何かをあきらめてしまう人が増えないように、地方での選択肢を増やす活動ができたらいいな、と思うようになっていました」

 日に日に思いは強くなり、岩崎さんは、本格的に準備を始めるため、1年間勤めた大手外資系保険会社を26歳で退職した。

 後編へ続く

取材・文/齋藤有美 写真/北山宏一

下編「新潟発・キャンセル待ちの英語学童を作った33歳」では、次のストーリーを展開

■新潟で18畳の教室からスタート
■手抜き広告なのに応募が殺到
■親同士の口コミで広がる
■金融での勤務経験が資金調達に生きた
■「若くて女性で起業なんかできるの?」
■根も葉もない噂を流される
■秋田校、仙台校、東京校を開校
■受講料を安くしている理由
■新しいカリキュラム作りが課題