かばん、財布、靴……。誰もが身の回りに持っている革製品。使い込むうちに傷みが目立ち、処分することも多い。素人ではなかなか面倒な革製品のメンテナンスだが、これを毎月定額で行うサブスクリプションサービス「TSUKUMO」を立ち上げたばかりのdoors世代CEOが、坂田有生さんだ。学生起業家、人気ベンチャーの営業マンという経歴を持つ坂田さんが、なぜ革製品のメンテナンスというサブスクを始めたのか。ビジネスにかける思いを聞いた。

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次世代の社会に貢献したい 革製品サブスクで起業(下)

小学生時代に「起業家ってかっこいい」

 小学生の頃から「社長になる」と宣言していたという坂田さん。

革製品メンテナンスサービス「TSUKUMO」を提供するツクモの坂田有生さん。「コロナ禍の中で、事業を立ち上げたばかりです」
革製品メンテナンスサービス「TSUKUMO」を提供するツクモの坂田有生さん。「コロナ禍の中で、事業を立ち上げたばかりです」

 「親が経営に携わる仕事をしていたこともあり、家にはたくさんのビジネス書が並んでいました。その影響もあって、子どもの頃から『会社の経営』や『起業』になんとなく興味があったんです」

 1994年生まれの坂田さんにとって、「起業家」は芸能人のような身近な存在だった。「小学生の頃は、ベンチャー起業家として堀江貴文さんなど多くの若手起業家が脚光を浴びていた時代。起業家ってかっこいいな、というイメージが漠然とありましたね

 そんな坂田さんは大学付属の高校に進学。受験勉強に時間を費やす代わりに始めたのが、ライブハウスでのイベント企画だ。

 「高校時代、バンドをやっていて、ライブハウスのイベントに参加したのが、イベント企画ビジネスを始めるきっかけです。当時のライブハウスのイベントの運営って割といい加減なところがあり、参加するバンドへのサポートは十分ではありませんでした。参加側として、自分でもっといいイベントを企画してみようと思ったんです

<坂田有生さんの起業5つのdoors>1.幼少から持っていた「起業家精神」/2.リスクテイクや経営基礎を実践で学ぶ/3.起業を見据えて新卒でベンチャー就職/4.未来の社会に貢献したいという強い思い/5.コロナ禍で負けない、先を見る勇気