コロナ禍の中、革製品のメンテナンスを毎月定額で行うサブスクリプションサービス「TSUKUMO」を立ち上げた坂田有生さん。学生起業家としても活躍し、新卒として入社した人気ベンチャー企業では営業職としてMVPも受賞。しかしその後すぐ、会社員としてのルールになじめず、幼少期からの目標だった「起業家」に向けて一歩を踏み出すことになる。
次世代の社会に貢献したい 革製品サブスクで起業(上)
次世代の社会に貢献したい 革製品サブスクで起業(下) ←今回はココ
コロナ禍の中、革製品のメンテナンスを毎月定額で行うサブスクリプションサービス「TSUKUMO」を立ち上げた坂田有生さん。学生起業家としても活躍し、新卒として入社した人気ベンチャー企業では営業職としてMVPも受賞。しかしその後すぐ、会社員としてのルールになじめず、幼少期からの目標だった「起業家」に向けて一歩を踏み出すことになる。
「次世代の社会に貢献したい 革製品サブスクで起業(上)」
起業の使命は、「未来の社会のために」
学生起業家から人気ベンチャーのトップ営業マンへ転身した坂田さん。しかし、自己流の仕事のやり方と会社や社会のルールの違いから退職を決断。ずっと目標としてきた、「起業家」への道を歩み出した。
「いずれ会社を辞めて起業するつもりだったんですが、まさかこんなに早く退職すると思っていませんでした。これからどうするか、しばらく真剣に考えました。起業を前提に、学生時代から温めてきた起業のアイデアは何百個もあったので、その中からどれをやろうか、と」
同時に、湧き上がったのが、未来の社会のために自分は何ができるのか、という思いだった。
「社会にはいろいろな課題がたくさんある。それは前の世代から受け継いだ負の遺産でもある。今、僕らが解決に向けて動かないと、子どもや孫の世代にその負の遺産をもっと大きな形で手渡してしまう。中でも環境問題については、今すぐ僕らの世代がやれることがあるんじゃないかと思いました」
大量消費、大量生産の社会システムは、大きな転換期を迎えている。もっと、ものを長く使い続けるようになれば、「ゴミを出さない」社会の実現に近づく。自分に貢献できるビジネスの形はないか――そして、自分が営業マン時代に服装や靴を変えることで周囲も自分も意識や評価が変わった経験を思い出し、「靴を長く履き続けることを支援するサービスをつくりたい」と、靴のメンテナンス事業を着想した。
靴のメンテナンスをビジネスにする。その目標達成のためにまず行動したのが、知る人ぞ知る靴磨きのスペシャリストが集まる靴磨き専門店で、プロとして活躍していた師匠に弟子入りすることだった。