さまざまなフェーズにある注目の起業家を取材する連載「起業 NEXT doors」。今回は「友達の友達」までの副業・転職意欲を閲覧でき、スカウトメールを送ることができるキャリアSNS「YOUTRUST」を立ち上げた岩崎由夏さん。10か月になる1児の母でもある。2020年には、収益が6倍以上となりマッチング数も5.5倍と急成長を遂げている。「令和の働く女性のロールモデルになりたい」と語る岩崎さんの起業5つのdoorsとは?

岩崎由夏 会社の存続揺るがす「修羅場」経験が転機に
結婚、起業、出産…「令和のロールモデルになりたい」 ←今回はココ

仕事の修羅場と重なった結婚

 入社4年目から出向していたペロリで、会社・サービスの存続を揺るがす騒動が起き、その対応にも当たっていた岩崎さんだったが、実はプライベートでも大きな転機を迎えていた。

 騒動の起きた2016年12月に入籍をし、2017年2月には結婚式を挙げた。

「仕事とライフイベントの波が一気に来た感じでした(笑)」
「仕事とライフイベントの波が一気に来た感じでした(笑)」

 事後対応が落ち着いた2017年の春頃、転職活動を始めた。スタートアップへの就職を希望していたが、転職エージェントから紹介されるのは超大手ばかり。自らも採用担当として働いていた経験のある岩崎さんは、その理由がよく分かっていた。

 「転職エージェントには紹介手数料があります。エージェント経由で採用が成立すると、企業が報酬として紹介手数料を払うんです。例えば年収1000万円の人を転職させたら相場は35%、350万円が支払われます。ところが企業によっては50%、100%のフィーを払うところも。エージェントも営業成績を上げることが必要ですから、どうしても手数料の高いところばかり紹介するのは仕方がないのですが……。もちろん、営業成績に関係なく、真剣に求職者の気持ちをくんでくれるエージェントもありますが、まだまだ少ないのが現状なんだな、と自分の転職活動を通して実感したんです。

 それに、自分が採用担当をしていたとき、選考書類と実際に会ってみた印象が違うことが何度かあって。その人の本当のよさや能力は、書類や数回の面接だけでは判断できないんじゃないかと思っていました」

 頭に浮かんできたのは、最後まで一緒に修羅場を経験したメンバーたちだった。

 彼らも岩崎さんと同様に転職活動をしていたが、どれだけ大変な仕事をしたか、責任感を持って事後処理にあたったかは、履歴書や職務経歴書の文字面からは伝わらず、苦戦している人もいた。

 何か、おかしくない?

 岩崎さんのなかで強烈な違和感が湧き起こった。

「このとき、強烈な違和感を持ちました」
「このとき、強烈な違和感を持ちました」
<岩崎由夏さんの起業5つのdoors>1.転職活動中の強烈な違和感/2.修羅場経験で学んだ人の本質/3.起業不安をヒアリングで片っ端から解消/4.起業と妊娠、どちらも諦めない/5.次世代につなぎたい使命感