起業を決意したとき、仕事のステージが上がるとき、なぜか彼とうまくいかなくなる。「そんなに頑張らなくてもいいんじゃない?」と言う彼――仕事にまい進しているときに限って、なぜか恋愛がこじれていくというU子さん。U子さんにとっては、ポジティブな変化なのに、どうしてネガティブなことが起きるのか。「仕事の転機のたびに彼とうまくいかなくなる」状況を桃山商事の清田隆之代表に分析してもらいます。

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「私に起業してほしくない」彼の本音と対等な関係(下)

●お悩み
 私はずっと、プライベートでもビジネスでも一緒に高め合うパートナーシップを築きたいと思っていました。でも、いつも仕事の転機で、なぜか彼とうまくいかなくなるんです。

 例えば私が会社を立ち上げたときは、当時の彼から「起業してほしくなかった」と言われたこともあります。また、起業後に出会った別の恋人は、いつも私の仕事を応援してくれていたはずなのに、事業を大きくする大事なフェーズで私が駆けずり回っていると、「そんなに頑張らなくてもいいんじゃない?」「そんなことしなくても君らしくいられると思う」と言ってきたり……。

 「年収が自分のほうが上になった途端に彼と別れることになった」とか、「転職する・しないで彼とケンカする」とか、周囲でもそういうエピソードを聞くこともあります。私は、仕事の転機も応援してくれる恋人が欲しい。年収が増えたら総資産が増えたと喜べるパートナーシップが築きたい。でも……パートナーと本当の意味で対等な関係をつくるというのは、難しいのでしょうか?
32歳、IT、U子/仮名

恋人の成功はうれしいことのはずなのに…

 相談文には複数のエピソードが紹介されていますが、どの話にも「ビフォー/アフター」の流れがあり、仕事における変化や成功をきっかけに問題が発生するという点で共通しています。

「最初は彼も応援してくれていた」
「最初は彼も応援してくれていた」

 会社を立ち上げることは知っていたはずなのに、後出しジャンケン的にネガティブなことを言ってきたり、年収アップは本来喜ばしいことのはずなのに、それがなぜか別れのきっかけになってしまったり……。

 仕事で起きたポジティブな出来事が、恋愛においてはどういうわけかネガティブな問題を引き起こしてしまう。その理由がイマイチ分からず、自分が望むパートナーシップのあり方に自信が持てなくなってしまっている──。これがU子さんの現在地ではないかと思います。