「仕事はほどほどにね」「年収や学歴は出さないほうがいい」――結婚相談所に通っている中で、こんなアドバイスを婚活コンシェルジュからもらい、違和感を抱いているというY子さんからの相談。恋バナ収集ユニット「桃山商事」の清田隆之代表が、今回も真剣に丁寧に考えました。

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婚活相談所の偽りの演出アドバイスに納得いかない(下)

婚活コンシェルジュのアドバイスに納得いかない

 本気で結婚相手を見つけたいと思い、半年前から結婚相談所に登録しています。でも、ちょっと疲れてきました。婚活コンシェルジュの人のアドバイスに納得がいかなくて……。

「相談所に登録している男性は保守的な人ばかり。求められるのはいわゆる良妻賢母」だからと、私が仕事の話をしようとすると「仕事はあまり頑張り過ぎずに。相手が仕事を辞めてほしいと言ったら、はいと言えるようにしといて」とか、料理が好きでもないのに「とにかく料理が趣味と書いて」とか、「年収や学歴は出さないように。相手が引くから」とか言われます。相手はこの情報をどう受け止めているんだろうと、不安になります。

 自分で自分を偽ったプロフィルを出してマッチングしたとしても、そこから本当の自分に修正する作業ってしんどいですよね。今は、とにかく出会いがなくて何もしていないと不安だから、相談所に登録していること自体が、精神安定剤のような感じになっています。(35歳、コンサル、Y子)

背景に男性優位なジェンダー構造

 こんなことを言ってもなんの慰めにもならないかもしれませんが……、まず初めに伝えたいのは、「Y子さんは何も悪くない」ということです。

婚活コンシェルジュの人のアドバイスに納得がいかないというY子さん。「Y子さんは何も悪くありません」
婚活コンシェルジュの人のアドバイスに納得がいかないというY子さん。「Y子さんは何も悪くありません」

 Y子さんがしんどい思いをしているのは、直接的には婚活コンシェルジュとそこに登録している男性たちのせいだし、より広義には、この社会における男性優位なジェンダー構造、およびそこにあぐらをかいている我々男性全般に問題があるわけで、Y子さんに一切非はないと、本当に心の底から思います。