クレームレベルのアドバイスだけれど…

 もっとも、婚活コンシェルジュにおそらく悪気はないでしょう。それどころか、プロとして本気でそうアドバイスしているのだろうと思います。結婚というゴールから逆算すれば、男性たちが求める女性像に寄せていくことは確かに合理的な手段と言えなくもないし、結婚相談所にはそれを裏づける統計やデータだってあるのかもしれない。

 でも、「それってどうなのよ?」って話ですよね。仕事として考えてみると、顧客の理想をかなえるために存在しているのがコンシェルジュなわけで、本来であればY子さんの要望をヒアリングし、マッチしそうな男性を探し出すのがその役割のはず。

 仮にY子さんが「仕事にやりがいを感じている」「料理は苦手」「高学歴高年収」といったタイプだとするならば、コンシェルジュのアドバイスは完全に的外れであり、クレームをつけられてもおかしくないレベルです。

 それなのに、時代錯誤かつ人権侵害にすら感じられるアドバイスを堂々と言えてしまうのは、おそらく、そこにいる男性が本当に「保守的な人」ばかりだからです。