その男性たちは本当に「保守的」なのか

 そもそも保守的とはどういうことでしょうか。

 手元にある辞書には「(1)古くからの習慣・制度・考え方などを尊重し、急激な改革に反対すること」「(2)正常な状態を保ち守ること」とあります。

 そう考えると、仕事をあまり頑張り過ぎず、望めばいつでも辞めてくれて、料理が得意で、自分に脅威を与えない程度の年収や学歴を持つ良妻賢母タイプの女性を求めるのが、古き良き「正常な」男性像であり、それを保ち守ろうとする男の人がこの結婚相談所にはとても多い……ということになります。

 このように書くといかにも男の人たちを皮肉っているように感じられるかもしれませんが、悲しいかなこの社会には、そういうタイプの男性が実際に少なからず存在するし、結婚相談所で多数派だというのもおそらく事実なのだろうと思われます。

 でも、どうなんでしょうか。Y子さんはそんな男性と結婚したいでしょうか?

 「女性は家庭より仕事を優先すべきではないし、仕事を頑張る僕に毎日おいしい料理を振る舞い、家事や育児も一手に担ってくれるのが結婚相手に望むこと。でも僕よりも年収や学歴の高い女性はちょっと引いちゃうからパス」──という男性を、果たして「保守的」などという立派な言葉で、形容していいのでしょうか。

 (下)へ続く。

文/清田隆之(桃山商事) 写真/PIXTA