彼が果たしていないさまざまな責任

 彼はR子さんに地方都市へ来ることを依頼し、「プロポーズは記念日にするから」と約束もしている。さらに家事労働をR子さんに頼り、ケアまで提供してもらっている。これらに関してはある種の「責任」や「代償」が発生しているはずですが、そのいずれも果たすことなく関係を解消した。これは責任の放棄であり、労働力の搾取です。「好きな人ができた」の一点で許されるものでは到底ありません

 彼が最低限果たすべきだったことは、まず説明責任ですよね。それは「別れたい理由」を説明することではなく、「なぜ地方都市に呼んだのか」「どういうつもりで生活していたのか」「R子さんとの結婚をどう考えていたのか」「長きにわたる交際をどう総括しているのか」など、自分自身と向き合って徹底的に言語化し、R子さんが納得するまで丁寧に説明し続けることだと考えられます。しかも、彼が果たしていないのはそれだけはありません。

 後編に続く

文/清田隆之 写真/PIXTA

下編「『早く出産したい』と話す私を振った元彼がデキ婚(下)」では、次のストーリーを展開

■失った機会と時間
■彼の行為は「愛情の搾取」
■すべてを放り投げた元彼
■立ち直るために必要なこと
■失恋の終わりとは
■負のエネルギーを燃料に