「女の子の損得」について考えた

 帰っている途中、私はどうしてこんなにムキになっているんだろうと考えた。女の子って、本当に得をしているのだろうか。サラリと流せる人もいるだろうが、いろんな人の思いや努力が都合よく歪曲されるのが私には我慢がならなかった。幼い頃からコツコツためてきた小さな怒りが、まるで自分のアイデンティティみたいに心の中に居座っていたなんて。

 怒りを抱きやすい私は、アンガーマネジメントの一環として、イライラしたらまず書き出してみることにしている。その日もスマホのメモを開き「女の子の損得」を列挙してみた。

▼「女に生まれてよかった」と思うこと
ファッションの幅が広いこと。
化粧の力で「可愛いは作れる」こと。
出産という経験ができる(かもしれない)こと。
世の中が女性の活躍を応援してくれていること。
男性より会費が安かったり、おごってもらえたりすること。
力仕事をときどき手伝ってもらえること。
▼「女に生まれてめんどくせえ」と思うこと
生理および生理痛。
結婚のプレッシャー。
出産のタイムリミット。
出産でキャリアが一旦止まること。
結婚すると名字が変わるのは女性側が多いこと。
異性と同居を始めると、やっぱり家事の大半は女性がやるのが当然、という空気が流れること。
身だしなみを整えるのに時間がかかること。
化粧品やヘアケア代がバカにならないこと。
ムダ毛の処理をしなければならないこと。
一人旅や夜道でレイプの心配をしなければならないこと。
生徒会長や応援団長のようなみんなのリーダーになりづらいこと。
新卒採用でフェアに扱われないこと。
ずっとキレイでいないと「劣化」と言われること。
会食で偉い人の隣に座らされて、延々と自慢話を聞きながらお酒を注ぎ続けなければならないこと。
セクハラを訴えても聞き入れてもらえないこと。
それでも、フェミニズムを語ると面倒がられること。

 あくまで個人の考え方ではあるが、書き出してみてビックリした。「オンナ人生」を存分にエンジョイしていたつもりの私でも、これだけ「女であることのデメリット」が出てきてしまうんだな。うんうん、私たちよく頑張って生きてるよ。

 想像力のない人と一緒にいるのはなかなかつらい。けど、平気で時代錯誤な発言をする人は、ただ実態を知らないだけなんだろうとも思う。ただ知識がないだけな人を「さようなら」と切り捨てず、分かってもらえるように、一つひとつ説明する根気が私には必要だったな、と反省して眠りに就いた。