男も女もセックスを語れ

 ジェンダーの連載をやらせてもらえることになった時、ちょっとした怖さもあった。フェミニストの先輩方が、Twitterで分かり合えない人たちを相手に疲弊している様子を見ていたからだ。発言の一部を切り取って揚げ足を取られ、ちょっとでも間違えると一気に攻められる。私にそんな批判耐性があるだろうか……。

 けれども、世の反応は着実に変わってきている。「LGBTは生産性がない」発言も、「ヤレる女子大生」問題も、10年前だったらここまで大ごとになっていなかったはず。この10年で私たちは「怒っていいんだ」と気付くことができた。

 ジェンダー問題と言ってもいろいろある。性犯罪、家父長制(男性に権力が集中する家族形態)、LGBTQ、フェミニズム運動。どれか一つに特化しようとは思っておらず、「自分が自分らしい選択をするために」必要だと思うことを軸に紹介していきたいなと思っている。

 ジェンダーを「よく分からないもの」にしたくないし、タブーにしたくない。どれだけの人がこれを読んでくれるかは分からないけど、少なくとも私の半径3メートルにいるリアルフレンドたちに届けるつもりで、テーマのハードルを下げるつもりで、気軽に書いていきたい。

 それから個人的には、セックスを語るとビッチ認定される短絡的な世の中にもうんざりしている。いやいや、男も女も語れよセックス。それに、そもそもビッチの何が悪いんでしたっけ。SATC(「セックス・アンド・ザ・シティ」のことね)に出てくる4人なんて、全員ビッチだけどめちゃくちゃかっこいいぞ。