「女子か!」じゃねえぞ。女子なめんな

「女子か!」というツッコミの裏にあるメッセージを考えたこと、あります?
「女子か!」というツッコミの裏にあるメッセージを考えたこと、あります?

 私は、男性をからかうときに使われる「女子か!」「女々しい」「like a pussy」といった言葉が嫌いです。例えば、男性が集団行動をしているとき。男性が甘いものを注文したとき。男性が何かに傷ついて落ち込んでいるとき。

 どうして嫌いなのかを考えてみると、理由は大きく二つありました。

 まずは、「女子をなめんな」という気持ちになること。「女子か!」というツッコミの裏には、女を劣位の存在として見ている意識が潜んでいます。反対に「男らしいね」と言われる場合には、物事の決断が早かったりと勇敢に困難に立ち向かったり、誰かを褒めるような状況で使われます。「女性らしいね」という褒め言葉もあるにはあるけれども、多くは批判的な意味合いが込められています。

 もう一つは「いやいや、一般化し過ぎやろがい」と思うこと。女性は集団行動を好み、感情的で、抽象的なことが苦手だと思われがちです。けれども、どうでしょう。電車の中でキレているオッサンは毎週のように目にするし、思い通りにならないときに怒号を飛ばしてくるのも、私の人生の中では男性が多かったです。女子はすぐつるむ? うーん、じゃあ男性の連れションやタバコミュニケーションは一体……。

 要するに、個のパーソナリティを一般化し過ぎるなということです(これは性別だけでなく、A型は几帳面、B型は自己中とか、九州の女子は可愛いとか、あらゆる一般化にも、もううんざり)。

 広辞苑の定義にありましたが、フェミニズムは性差別からの解放。男性から解放されるべきは女性だけでなく、男性自身も男性から解放されるべきではと思っています。

 男尊女卑を口にする輩と戦っていくと同時に、「男のくせに稼ぎが悪い」だとか、「男なのにひ弱だ」とか、そういうことを平気でのたまう輩にも考え方を改めてもらいたい。私たちが社会が決めた女性像から解放されるなら、男性たちも男性像から解放しないといけません。

 年収1000万円の男を見つけようと鼻息を荒くしている女子を見つけたら、自分が1000万円稼げるように努力する選択肢もあるのよと提案したいです(雇用機会や生涯年収におけるジェンダーギャップもあるけど、ここでは固定化した男女の役割的な意味として)。

 フェミニストは男嫌い? いいえ、とんでもない! フェミニストは女も男もその他の人も、みんなを広く愛する博愛主義者なんですよ。ということで、次回はオープンリーフェミニストとして活動する女性に登場いただく予定です。お楽しみに~!

文/ニシブマリエ