日本の女性に必要なのは「シスターフッド」

 リナさんは、日本には「シスターフッド(女性たちの連帯)」が足りていないと指摘します。フェミニストの比率が多いBLASTのフォロワー層ですら、自分が発信者になるのはなかなか難しいということをリナさんが実感した出来事があります。

 「3月8日の国際女性デーに合わせて、シスターフッドに関する画像を自分のストーリーズにリポストしてねっていうキャンペーンをやったんです。80人くらいが参加してくれたんですけど、それでもコミュニティの1%くらいなんですね。BLASTのフォロワーでも1%。

 一方で、福岡で起きた準強姦事件に対する無罪判決で、『性犯罪を厳罰化してほしい』という署名を呼び掛けたところ、そちらでは約2000人を誘導することができました。シェアという形以外で、応援したり協力したりすることはできるけど、SNSでアクティブに発言していくことにはまだ抵抗があるんだなってことを実感しました」

 日本が世界149カ国中110位となった世界国際フォーラムのジェンダーギャップ指数において、1位になっているアイスランドでは、女性が古くから連帯し、平等な権利を勝ち取ってきました

 お隣の韓国でも、ジェンダーギャップ指数は115位と順位こそ低いものの、デモやストライキが活発で、「#MeToo」ムーブメントも大きく広がりました 。先日ソウルで開催されたLGBT・フェミニズムイベント「ピンクドット」も、2000年には50人だったパレード参加者が、2019年には約7万人にまで拡大しているそう。

 「日本で連帯が起きづらいのって、まず日本人の女性たちが現状に気付いていないからなんじゃないかな。日本人の女の子たちって日本は先進国だと思ってるし、男女平等な国だと思ってると思うんですよ。でも110位だよ? って。『私は差別にあったことがないので大丈夫です』って人には、構造的な問題に目を向けてほしい。政界や経済界の男性優位社会はどうなんだろうって。自分がよければいいんじゃなくて、じゃあ未来はどうするの? ってことを一緒に考えてほしい