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わたしのレジュメ

私の道はつながっていた――がん患者を支援したい

後編 ドキュメンタリー制作、マギーズ東京開設…運命的な出会いの連続

フリーペーパーの発行や患者団体を立ち上げ

 仕事だけでなく、プライベートでもがんに関する情報を積極的に発信していきました。

 復帰後すぐに実施したのは、仲間の存在を知らせることです。自分が落ち込んだときに助けてくれたのは、がんを患っても自分らしく生きている「がんの先輩たち」です。私もいつか同じような境遇になった「がんの後輩たち」の役に立ち、希望になる存在になれればと思い、自分だけでなく若くしてがんを患った人の実名、顔出しの体験談が掲載されたフリーペーパーを発行することにしたのです。出来上がった冊子は、質の高いがん医療の均てん化を図ることを目的に整備された「がん診療連携拠点病院」に電話をかけまくり、送付して置いてもらうという作業を続けました。

 そしてその冊子を発行するとともに、若年性がん患者団体の「STAND UP!!」を発足し、不安や悩み、葛藤を共有する場としました。その4年後には「Cue!」というプロジェクトも立ち上げました。これは自宅と病院の往復で孤独感を抱えがちながん患者のためにヨガやウオーキング、プチ遠足などを企画し、同じ病気を患った友達をつくる場所を提供するというものです。

 Cue!のプロジェクトが本格化するなかで、がんになった人がいつでも訪れることができるような常設の場を作りたいと考えるようになりました。でも自分一人では資金的にも難しい。そこで両親も巻き込み、自宅のマンションを売ってもらい、3階建てくらいの中古住宅を買い、その一部を常設スペースとして開放するという案を思いつきました。今考えるとあまりに無謀なアイデアですが、家族は「美穂がやりたいなら」と同意してくれました。

フリーペーパーの発行や若年性がん患者団体の立ち上げなど、精力的に活動を続けた
フリーペーパーの発行や若年性がん患者団体の立ち上げなど、精力的に活動を続けた

 ただ、その構想はガラリと変わりました。そのきっかけとなったのは患者支援団体の代表が世界各国から集まる国際交流会議「IEPPO」に参加してからです。そこではがんに対する考え方がまるで日本と違い、さまざまな刺激を受けたのですが、大きな収穫となったのは、英国発祥の「マギーズセンター」のことを知ることができたことです。

 マギーズセンターとはがんになった人やその家族、友人などがんに影響を受けたすべての人が気軽に訪れ、治療や日々の生活について相談することができる場所です。まさにやりたかったことそのものでした。私がやることはローンを組んで一軒家を買うことではなく、マギーズセンターを日本に持ってくることなんだと思い、ギリギリのタイミングで一軒家の契約は解除しました。

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