「何者かになりたい」病は卒業、経営者の道へ
ライフスタイルプロデューサーの肩書をきっかけに、プロデュース業を本格的にやりたいと思うようになりました。そして、24歳の時、わずかな資本金を元に一人で法人を設立。仕事が増えるとともにアシスタントも採用しました。
そんな時、ふと、アシスタントの皆の未来が気になったんです。彼女たちが成長した時に、仕事がある状態にしないといけない、と。ずっと独自のやり方で仕事をしていましたが、それでは自分しかできない仕事ばかりになってしまう。皆には、アシスタントのままではなく、ちゃんと役職を持って自発的に仕事ができるようなってもらいたいと思いました。
そこで、自分のプロデュースコンセプトを「NEXTWEEKEND」としてブランド化しました。ブランドができたことで、採用がしやすくなり、仲間が増えていきました。
会社や経営に対する考え方が変わったのもこの頃です。当初、私は自分自身が何かを成し遂げることに執着していました。学生時代の「何者かになりたい」病の延長で物事を考えていたかもしれない。でも、誰かに喜んでもらえたり、スタッフが一生懸命考えてくれたりする姿を見ていたら、自分本位で考えることがなくなってきました。
結局、仕事は誰かの役に立ってこそ成り立つもの。続けることで価値を生み出せる会社でありたいと思ったんです。
後編に続く ⇒ 理想の生活の中に「仕事」がある幸せ
取材・文/高橋奈巳(日経doors編集部) 撮影/稲垣純也
NEXTWEEKEND代表