成育医療センターのプレコンセプション・チェックの栄養カウンセリングの様子。個人の生活状況に合わせた食事の改善点や妊娠前にとっておきたい栄養素を具体的なレシピを提案しながらアドバイスしてくれる
成育医療センターのプレコンセプション・チェックの栄養カウンセリングの様子。個人の生活状況に合わせた食事の改善点や妊娠前にとっておきたい栄養素を具体的なレシピを提案しながらアドバイスしてくれる

「朝食抜き」「健康によい食品を過信」という落とし穴

ここが問題点

●朝食の欠食で1食分の栄養が不足。お菓子(砂糖)の摂取が多い。

 国民健康・栄養調査によると、朝食を食べない、または菓子・果物などのみという20代女性は23.6%、30代女性は15.1%という(平成29年)。

「朝食は体温を上げ、体や脳の栄養になります。パンやシリアル、果物、ヨーグルトなど調理を必要としないものから始めてみては。会社に着いてから食べる場合は、現在の間食タイムである10時よりも早い時間帯にとり、お菓子よりは玄米やブランを使った食物繊維の多い栄養補助食品などのほうがよいでしょう。砂糖は血糖値を急上昇させ、糖尿病のリスクを高めます。お菓子を食事に置き換えることは避けましょう。昼食・夕食では外食でも主食(米・パンなどの穀類)だけではなく、主菜(肉・魚・卵・大豆製品)、副菜(野菜・きのこ・海藻類)の料理を組み合わせてバランスよく食べましょう」(鴨志田さん)

改善のポイント
・朝食をとる時間をつくり、お菓子の間食を控える。エネルギーになる炭水化物を多く含む食品(パン、米、栄養補助食品等)と牛乳や豆乳、ヨーグルト等のたんぱく質を多く含むものを組み合わせるとよい。パンは、ライ麦や全粒粉パンなど食物繊維をしっかり含むタイプがおすすめ。出社してから食べる場合は、なるべく早い時間帯に食べて。

ここが問題点

●健康によいといわれるものを意識して食べているが、たんぱく質や緑黄色野菜が不足

 グラノーラやスムージーなどが取り入れられており、健康的に見える。しかし、体にいいという思い込みでそればかりに頼ると、栄養バランスを欠く恐れが。

「グラノーラは手軽に鉄、ビタミン、食物繊維が補えるものとして人気ですが、主食の代わりであり、たんぱく質は少なめです。ゆで卵やサラダチキン等のたんぱく質とサラダや野菜スープと組み合わせて食べるとよいでしょう。そして、昼食でもたんぱく質が不足しています。また、市販のスムージーは、加熱しているためビタミンが損なわれており、野菜を食べたことと同じにはなりません。夕食に納豆でたんぱく質が摂取できていますが、1日全体で見ても足りていません。野菜の種類も少なく、緑黄色野菜が不足しています。もう1品、魚や肉の主菜があるとよいですが、野菜炒めに豚肉を加えるだけでも十分です。さらに小松菜やきのこを加えると彩りもよく、栄養バランスもよくなります。緑黄色野菜やきのこ類は、妊娠に重要な栄養素である葉酸やビタミンDの補給源になるので、意識してとりいれましょう。健康によいといわれる食品だけでは不足する栄養素が出てくるので、基本の主食、主菜、副菜をとったうえで活用を」(鴨志田さん)

改善のポイント
・朝食に卵料理やサラダチキン、チーズなどのたんぱく質とサラダや野菜スープをプラス。
・昼食のサンドイッチはチキンやツナなどたんぱく質のあるものを選び、サラダを加える。
・夕食のおかずに、魚、肉などたんぱく質を多く含む食品を使い、緑黄色野菜をプラス。