免疫を調整して妊娠を維持する働きも

 黒田さんによると、妊娠・出産にも、ビタミンDによる免疫システムの調整機能が関わっている。

 体を守る免疫細胞のヘルパーT細胞には、病原体を排除するTh1細胞と、異物である胎児を拒絶せず受け入れる方向に働くTh2細胞がある。Dはそのバランスを取っているというのだ。

 「現代人は食事だけでDを充足させるのは難しいので、妊活や病気の予防のためにも、サプリも活用して血中ビタミンD濃度を30ng/ml以上に上げておくことが大切」と黒田さんは強調する。

 ただし、過剰摂取すると高カルシウム血症などになる弊害があり、厚生労働省は健康被害の出ない上限量を1日100μgに設定している。

 「医師の処方薬のD製剤は活性型なので過剰摂取は禁物だが、サプリは天然型なので食品と同じ。肝臓が必要量だけ代謝して活性型に変えるので、過剰摂取の心配は少ない。魚を積極的に食べると同時に、サプリで1日25~50μgくらいとってもいいのでは」と秋葉さんもサプリの活用を薦める。

 UVカットをする女性にとっては特に、ビタミンDサプリは必須アイテムになりそうだ。

取材・文/福島安紀 イラスト/もり谷ゆみ グラフ作成/ディッシュ 構成/黒住紗織(日経BP総研 ヘルシー・マザリング・プロジェクト