近い将来、赤ちゃんを授かりたい!と願う若い女性やカップルを対象に、大阪で7月21日(日)に「妊活セミナー」が開催されました。これは、ロート製薬×ABC Cooking Studio×コクミンが、妊活についての正しい知識や食生活について、地域に根差した情報発信を行うことを目的としたコラボプロジェクトの一環で、栄養と若い女性の健康の啓発を行う「ヘルシー・マザリング・プロジェクト」も協力するイベントです。

 セミナーに先だって開かれた記者会見には、お笑いタレントの横澤夏子さんも駆けつけ、夫婦で取り組む家族計画について本音トークを展開。ここでは、当日の盛りだくさんの内容の中から、産婦人科の医師から教わった妊活のポイントと、それを食事で実践できる特別レシピをご紹介しましょう。

 江戸時代から続く産科婦人科舘出張・佐藤病院(群馬県高崎市)の12代目に当たる佐藤雄一院長。昨年11月に東京・日本橋のオフィス街にプレコンセプションケア(妊娠しやすい体づくり)のためのクリニック「フィーカ・レディースクリニック」を開業し、仕事をしながら家事・育児の負担も大きい現代女性の健康づくりを応援しています。

排卵日の1、2日前から性生活を!「禁欲後の精子が元気」は“都市伝説”

 前半の講演で、佐藤院長はまず基礎体温と女性ホルモンの関係について解説しました。性生活のタイミングについては、「気を付けてほしいのは、射精された精子は女性の体内で2~3日生きているけれど、卵子の寿命は長くても約24時間しかないという点。このタイミングを逃さずに性生活を営むには、排卵日検査薬を利用して“事前に”の排卵日を予測し、その1~2日前から高温期に突入するまでの最も妊娠しやすい時期をフルに使うことが大切です」とアドバイス。また、「禁欲した後の精子のほうが元気」という噂は“都市伝説”のようなものだと言い、「鮮度が高い精子のほうが生命力は高いです。どんどん愛し合ってください」と場内の笑いを誘いました。

婦人科疾患は不妊の一因に。妊活前にケアを

 妊娠を望むかどうかに関わらず気になるのが、婦人科系の疾病との関係です。

 初潮年齢の低下や初産年齢の高齢化、さらには妊娠回数の減少により、現代女性は昔の女性に比べて圧倒的に月経回数が多くなっています。「昔の女性は生涯の月経回数が50回ほどといわれますが、現代女性は450~500回。排卵の回数も必然的に多くなり、これが卵巣がんや子宮筋腫、子宮内膜症などの婦人科系疾患の原因となる可能性があります」(佐藤院長)。生理痛を伴う内膜症や生理前に気分が不安定になるPMS(月経前症候群)には、低用量ピルや抗うつ剤・鎮痛剤などの対処法もありますが、食生活を整えることだけでも症状が改善する場合があるそう。妊娠をのぞむならなおさらのこと、婦人科系疾患を早めにケアしておくことは不妊対策にもなるといいます。

 とくに佐藤院長が警鐘を鳴らすのが、若い女性の栄養不足と痩せ志向について。20歳代の女性の痩せの割合と低出生体重児(出生体重が2500g未満の赤ちゃん)の割合には相関がみられ、やがてお母さんになる人が痩せていることが、赤ちゃんの将来の病気のリスクを高めるというのです。「妊娠期は生まれてくる赤ちゃんのために栄養を使うので、普段以上にたくさんの栄養が必要です。にもかかわらず、「太りたくない」といって食事制限などをして食事量やバランスが不十分になると、赤ちゃんに十分な栄養が行き届きません。『小さく産んで大きく育てるのがいい』といわれていたのは昔の話。今では、お腹の中で栄養が少なかった赤ちゃんは栄養を吸収しやすい体質で生まれてくるので、将来、太りやすくなる可能性があり、生活習慣病リスクが高まることが明らかになっています」(佐藤院長)

 佐藤院長が、妊娠を望む女性に欠かせない栄養素として挙げたのは、鉄、たんぱく質、葉酸、ビタミンB6、亜鉛、ビタミンDの6つ。そこで、佐藤院長の講義と、その後に行われたCooking Studioの管理栄養士さんによるアドバイスを合わせて、6つの栄養素についてのポイントを解説します。