朝食欠食、早食い甘い物の間食は避けよう

 「妊娠を予定しているかどうかにかかわらず、高血糖が続くと、血管が傷つき、動脈硬化が進んだり、神経障害、網膜症、腎症の合併症が生じたりしやすい。また、新型コロナウイルスなどの感染症にかかると重症化しやすくなるので、高血糖にならないように生活習慣を整えて」と荒田さん。

 では、高血糖にならないようにするにはどうしたらよいのか。

 「朝食を抜いたり、甘いお菓子の間食を繰り返したり、早食いや過食が続くと、血糖値の乱高下が激しくなってすい臓が疲弊しインスリンの分泌が悪くなる。そういった食べ方は避け、野菜、おかずなどを先に食べ、血糖値を上げやすい炭水化物は最後に食べる習慣をつけることも大事」と佐藤さんは薦める。

 ウオーキングなどの有酸素運動や筋トレで筋力をアップすると、血糖値を下げる効果が期待できる。血糖値が高めとわかったら「まだ糖尿病でないから」と放置せず、日々の継続した運動で早めに対処したい。

取材・文/福島安紀 イラスト/もり谷ゆみ デザイン/ディッシュ 構成/黒住紗織(日経BP総研 ヘルシー・マザリング・プロジェクト

佐藤雄一さん
産科婦人科 舘(たて)出張(でばり) 佐藤病院院長
佐藤雄一さん 順天堂大学大学院修了。2014年より現職。専門は内視鏡手術、不妊治療。妊活中の女性やカップルに対するプレコンセプションケアに力を入れ、著書に『今日から始めるプレコンセプションケア』がある。
荒田尚子さん
国立成育医療研究センター 母性内科診療部長
荒田尚子さん 広島大学医学部卒業。2011年より現職。専門は内分泌・代謝学(特に妊娠に関連した糖尿病、甲状腺疾患)、母性内科学。妊娠前から出産後の女性の栄養・健康に関する知識の普及と行動変容の厚生労働省研究班の代表。