「働く女性は、たんぱく質が不足している」――。近年、そんな指摘を耳にすることが増えてきました。でも、「たんぱく質不足なんて私には関係ない」と思っている人が多いはず。あなたもその一人では?

 女性の栄養不足の解消策を提案する「ヘルシー・マザリング・プロジェクト」では、2カ月間、職場で自由に高たんぱくヨーグルトが食べられる環境を作って、心や体や仕事の生産性にどんな変化が起きるのかを検証する実験を企画。大日本印刷包装事業部の27人の社員有志が興味津々で挑戦してくれました。その一部始終を2回に分けて報告します。

たんぱく質のちょい足しが必要なわけ

 「なんだかだるい。会社を休みたい」「気持ちが落ち着かず、仕事に集中できない」――。こんな経験、あなたにもあるのでは? こうした“心身のプチ不調”は、自身の生活の質を落とすだけでなく、仕事の生産性にも影響してしまいます。

 「生産性を上げたいなら、まずは自分の体を見つめ直すこと」と明言するのは、一般社団法人ラブテリ代表で予防医療コンサルタントの細川モモさん。

 ラブテリが全国約3000人の働く女性の健康や栄養について調査をした結果、働く女性は「睡眠不足、運動不足、栄養不足」の3重苦に陥っていることが発覚。しかも、多くの女性が栄養失調状態であることが明らかになったのです。

「働く女性(平均年齢31.2歳)の栄養摂取状況をみると、エネルギー量は戦時中の女性より低い結果でした。これに伴いビタミン、ミネラル、食物繊維と、ほとんどの栄養素が大幅に不足していました。栄養不足は、心身のプチ不調を引き起こすだけでなく、不妊や将来の糖尿病にもつながるリスクがあります」と細川さん。

 細川さんが、積極的に補給したい栄養素として薦めているのがたんぱく質です。「人間の体の約20%はたんぱく質でできています。水の次に多い、とても大事な要素です。体重60kgの人なら目安として(運動習慣などにより異なる)毎食20gのたんぱく質をとるべきですが、働く女性の9割がたんぱく質不足。プチ不調を改善するには、まず体の材料であるたんぱく質を補って体づくりをすることが大前提です」(細川さん)

高たんぱくヨーグルトなら職場で食べやすい?!

1個でたんぱく質が約10gとれ、脂質はゼロというギリシャヨーグルト「ザ・グリーク」を毎日、好きな時間に、全5種類の中から好きな味を食べてもらいました。ギリシャ大使館公認のギリシャヨーグルトなだけあり、濃密でずっしりしているのに爽やかな酸味で、ペロリと食べられます
1個でたんぱく質が約10gとれ、脂質はゼロというギリシャヨーグルト「ザ・グリーク」を毎日、好きな時間に、全5種類の中から好きな味を食べてもらいました。ギリシャ大使館公認のギリシャヨーグルトなだけあり、濃密でずっしりしているのに爽やかな酸味で、ペロリと食べられます

 そこで、女性の栄養不足からくる健康リスクを減らす啓発活動を行っている「ヘルシー・マザリング・プロジェクト」では、職場でたんぱく質を手軽に食べられる環境を作ったら、健康状態や生産性にいい影響が出るかどうかを、実際に女性社員の協力を得て検証してみることに。

 手っ取り早くたんぱく質を摂取できる方法として、1個で約10gのたんぱく質が取れる脂質ゼロのヨーグルト「ザ・グリーク」(明治)の協力を得ました。職場の冷蔵庫に2か月間、製品を供給してもらい、毎日好きな時に1個を目安に食べて、実施期間の前と後で体組成や体調の変化などを比較してみることに。

 この企画に挑んでくれたのは、大日本印刷包装事業部でデスクワークを中心に働く女性社員27人です。