AI(人工知能)が全国民の個人情報を完全に管理する、2030年の日本を描くサスペンス『AI崩壊』が、1月31日に公開されます。緊迫感のある展開の裏には、家族愛や人間の温かさが描かれています。主役の天才科学者・桐生を演じる大沢たかおさん、桐生の元共同研究者であり亡き妻・望役を演じる松嶋菜々子さんに、どのような思いで撮影に臨まれたのか、さらにこれまでの俳優人生についても、伺いました。

テーマがAIだからこそ、「人間味」を大切に演じた

日経doors編集部(以下、――)映画『AI崩壊』は徹底的に世界観をつくり込んでいて、CGには極力頼らずリアルを追求しています。出演者の皆さんも体を張ったアクションで、撮影は大変だったのではないですか?

大沢たかおさん(以下、大沢) 僕は天才科学者から後に逃亡者となる役柄でしたので、撮影中は本当にたくさん走りました。

松嶋菜々子さん(以下、松嶋) 「死にそうだった」って、言ってましたよね(笑)。

大沢 冬の時期に革靴でコンクリートの上を走らなくてはいけなかったので、結構ダメージはありましたね。2カ月間の撮影中、靴が傷んでいったのですが、その傷みは桐生を演じる私にとっての痛みでもあったので、靴というツールを通してだんだんと役に近づけたように思います。

2030年の日本を描くサスペンス超大作『AI崩壊』が、1月31日(金)に公開。主役の天才科学者・桐生を演じた大沢たかおさんと桐生の元共同研究者であり亡き妻・望役を演じる松嶋菜々子さん
2030年の日本を描くサスペンス超大作『AI崩壊』が、1月31日(金)に公開。主役の天才科学者・桐生を演じた大沢たかおさんと桐生の元共同研究者であり亡き妻・望役を演じる松嶋菜々子さん