「日本だけを見て生きないほうがいい」

 まず、プライベートコーチによる英語の特訓、毎日2時間。「受験英語は得意だったのですが、話せるわけでは全くないので、もうつらくて」

 さらに、週に1~3回のペースで、最終プレゼンテーションのための準備が本格化。カルティエのパートナーであり、INSEADの卒業生でもある29歳のレバノン国籍のコーチが派遣され、SHEの企業戦略のブラッシュアップのために助言してくれます。「毎回課題が出され、ビジネスを考えるフレームワークを学び、実際の事業戦略に落とし込むのですが、私は起業家として走り出したばかり。専門的に起業について学んだ経験もないので本当に毎日が修行です」

 睡眠時間も削り、事業戦略を練る日々。でも、つらい中、新しい風景が見えてきた、とも中山さんは語ります。「MBAのフレームワークを教わりながら、これまで自分たちがどれほど『考え切れていなかったか』を思い知らされています。世界標準の起業家が考えていることって、こんなにもハードルが高いものなのだと愕然としてしまって」

 中山さんは続けます。「今回の貴重な経験をしながら思ったんです。日本だけを見て生きないほうがいい。私はこんな大きなチャンスをもらって、世界に目を向けることができました。もう日本国内だけで生きる時代ではなくなったと、日々実感しています」

 中山さんは4月末にアメリカ・サンフランシスコに飛び、他のファイナリストと共にさまざまな研修を受け、5月1日には最終プレゼンテーションに挑戦します。英語による15分間のプレゼンのあと、30分間、審査員との質疑応答が行われます。

 30分の質疑応答は長いですね、と水を向けると、「もう恐ろしいです! でも、そのときのために頑張って準備するしかないですよね」と笑顔を見せてくれました。

取材・文/小田舞子(日経doors編集部) 写真/稲垣純也

中山紗彩さんがWOMAN EXPOに登壇決定!
◆日時:2019年5月19日(日)14時10分~14時50分
◆場所:東京ミッドタウン カンファレンスROOM9

◆講演テーマ:日経doors Presents
“日本初ファイナリスト”の中山紗彩さんが伝える
「世界の舞台から見た景色と令和ミレニアルの可能性」


世界の女性起業家を支援するプロジェクト「カルティエ ウーマンズ イニシアチブ アワード(CWIA)」のファイナリストに、日本人として初めて選出されたSHEのCEO、中山紗彩さん。登壇する5月19日は、米国サンフランシスコで開催のCWIA最終プレゼンテーションから帰国してすぐ。プライベートコーチから毎日2時間の英語特訓を受け、終盤はほぼ毎日、最終プレゼンテーションの準備に励んだ成果は!? 

CWIAファイナリストノミネートまでの経緯や、国際的なビジネスコンペティションを経て見えてきた新時代「令和」を担っていく「令和ミレニアル」世代の日本女性の可能性についてお伺いしつつ、世界の舞台で発表した英語での最終プレゼンテーションの内容も披露していただきます。

◆申し込みはこちら ⇒ https://www.woman-expo.com/tokyo/session/session-detail?m=2&eid=138
※事前申込制です。奮ってご参加ください!