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doors 旬のインタビュー

マスク用ストラップ緊急販売 32歳の女性社長が奮闘

大学卒業後に入社した外資系金融を1年弱で退職。母親が経営する小さなメーカーに入り、経営の腕を磨く

 大きなニーズがあることを確信した香南子さんは、4月7日の発売予定日を4月2日に前倒して予約を受け付け、7日に発送することを決めた。予想以上の売れ行きで、自社の経営危機もひとまず乗り切ることができた。

 香南子さんは、今でこそ、市場のニーズに敏感に反映して、商品を提供するということに力を注ぎ、コロナショックという荒波に立ち向かうことができているが、約10年前はキャリアの展望が描けず悩んでいたという。

外資系金融会社を1年弱で退社

 もともと海外に興味があった香南子さんは、高校時代までを長野県で過ごした後、早稲田大学・国際教養学部に進学。大学2年でカナダ・ケベック州にあるマギル大学に交換留学し、経済学を学んだ。学ぶ環境が良いと感じ、マギル大学に転入。大学時代に国連や外務省の職員に会って話をすると、「自分に合った仕事がもっと他にあるかもしれない。たくさんの仕事や企業を見てみたい」と思うようになったそう。

 そして、大学3年時に米ボストンで開催される就職イベント「ボストンキャリアフォーラム」に参加し、メリルリンチ日本証券の投資銀行部門で学生インターンとして採用される。大学3年と4年の夏休みに行われた計10週間のインターンを経て「経済にとって血液とも言える金融の業界でキャリアを始めたい」と考えるようになり、そのまま2010年7月に入社した。

 しかし、入社後、わずか1年弱で退社。

 「働きがいもあり、一緒に働く人たちもとても優秀で刺激もありました。その後も働き続けたいという強い気持ちがあったのですが、体力的に付いていけなくなってしまいました」

 配属された投資銀行部門では、株の発行やM&Aのプロジェクトなどを手掛けていたが、午前3~4時まで働いて、タクシーで帰宅して仮眠を取り、また朝9時に出社するということが珍しくなかった。

 「目が覚めたら15時だったこともありました。たまたま会議がない日だったので事なきを得たのですが、携帯電話にはアシスタントから10回ほどの着信があり、『生きていますか?』と留守電が入っていました(苦笑)。まだ社会人として未熟だったこともありますし、不器用さもあって、目いっぱいやるしかなかったという一面もあったと思います」

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