情熱的な片寄涼太さんから学んだこと

―― 港役の片寄涼太さん(GENERATIONS from EXILE TRIBE)と共演した感想を教えてください。

川栄 片寄さんは、とても真面目な方。作品に対して真摯に向き合っている姿が印象的でした。また、自分にはない感性を持っていたので、参考になる部分が多かったです。

―― 片寄さんのどのような部分が川栄さんにはない魅力だと感じたのでしょう?

川栄 例えば私は、人から何か注意されても感情が動かないんですよ(笑)。「そんなこと言われても、しょうがないでしょ」と思っちゃう。でも片寄さんは、相手の意見を飲み込んで、次はこうしようと考えて、実行するんです。

 私は良い意味でも悪い意味でも冷めているので、彼のそういう情熱的な感性が自分にはない部分だと感じました。

「『きみと、波にのれたら』は、自分の将来に不安を抱えている人たちの背中を押してくれる作品です」
「『きみと、波にのれたら』は、自分の将来に不安を抱えている人たちの背中を押してくれる作品です」

AKB48時代のメンバーは、家族のような存在

―― 『きみと、波にのれたら』で印象に残っているシーンを教えてください。

川栄 やはり、港が死んでしまうシーンですね。憔悴するひな子を、学校の友人をはじめ、港の同僚や妹などたくさんの人が励まし、前を向かせようとしてくれます。私も落ち込んだときは、周囲の友人に励ましてもらうことが多いので、自分自身と重ねながら演じていました。

―― 川栄さんが落ち込んだときに連絡するのは、仕事仲間ですか?

川栄 落ち込んでいるときや疲れているときに連絡するのは、AKB48時代のメンバーですね。5年間一緒に活動していたので、特に仲良しの何人かとは、もはや家族のような存在。なんでも分かってくれているから、精神的にいつも助けられています。

―― 「日経doors」読者に向けてメッセージをお願いします!

川栄 『きみと、波にのれたら』は、自分の将来に不安を抱えている人たちの背中を押してくれる作品です。私自身、この作品を見た後に、とても前向きな気持ちになりました。ほっと、息抜きしたいときに見てもらえたら嬉しいです。

取材・文/橋本 岬 写真/稲垣純也

川栄李奈
川栄李奈 1995年生まれ、神奈川県出身。女優。舞台『AZUMI 幕末編』(2015年)で初舞台初主演を務め、その後も連続テレビ小説『とと姉ちゃん』『フランケンシュタインの恋』、映画では『嘘を愛する女』『センセイ君主』『人魚の眠る家』など話題作に出演。『恋のしずく』では映画初主演を果たす。アニメーション映画への声の出演としては、『KUBO/クボ 二本の弦の秘密』『劇場版ポケットモンスター みんなの物語』など。6月21日(金)より全国ロードショーされるアニメーション映画『きみと、波にのれたら』ではひな子役を演じる。