6月21日(金)に封切りとなるアニメーション映画『きみと、波にのれたら』。この作品は、大学入学を機に海辺の街へやってきたサーフィンの大好きな大学生・ひな子と消防士の青年・港(みなと)が紡ぐラブストーリー。ヒロイン・ひな子の声を演じたのは、川栄李奈さん。川栄さんにまず作品について聞きました(取材は2019年4月17日に実施)。

「AKB48のメンバー時代、実は歌とダンスが苦手だった」と語る川栄李奈さん
「AKB48のメンバー時代、実は歌とダンスが苦手だった」と語る川栄李奈さん

日経doors編集部(以下、――) 大学に入ったばかりの主人公・ひな子は運命的な出会いをして恋に落ち、大事な恋人を亡くします。その恋人は「人を助ける」という揺るがぬ思いを持つ消防士でした。ひな子は「私にできることは何なのか」と悩みながらも、少しずつ自分の道を歩き始めます。川栄さんから見て、ひな子はどんな女の子でしたか?

川栄李奈さん(以下、川栄) ひな子や私と同じ20代前半って、仕事でもプライベートでもやりたいことはたくさんあると思うんです。でも、全部に全力をぶつけるのは難しいし、なあなあにしてしまうこともありますよね。だけどひな子には、サーフィンも恋愛も人間関係も諦めずに自分の思いを突き通す強さがある。そこがとても魅力的だと思いました。

―― 川栄さんが諦めずに自分の思いを突き通したいと思うものは何ですか?

川栄 演技です。AKB48のメンバー時代、実は歌とダンスが苦手だったんです。でもドラマに出たとき、すごく楽しく演じることができて。初めて「自分がやりたいのはこれだ」と思えました。

―― ひな子は港が亡くなってから、一時期、大好きなサーフィンができなくなってしまいますが、川栄さんも「波に乗れない時期」はあったのでしょうか?

川栄 誰にだって、波に乗れない時期はあると思うんです。もちろん私にも。今こそお芝居のお仕事をいただけていますが、最初は小さい役からのスタートでした。いきなり大きな舞台に立ったわけでもなく、少しずつステップアップしてきました。

 どんな役が来ても、精いっぱい演じ、その姿を監督やスタッフさんにいいと思ってもらえたら、次の作品でも呼んでもらえる。その繰り返しで現在に至っています。だから、たとえうまく波に乗れていないなと思うときでも、日々の小さな積み重ねを誰かが見てくれていると信じています。

映画『きみと、波にのれたら』。左はヒロイン・ひな子。幼い頃からサーフィンも海も大好きな天真爛漫な女の子。でも、自分のやりたいことがまだ分からず、自分に自信を持てないでいる。右は恋人の港
映画『きみと、波にのれたら』。左はヒロイン・ひな子。幼い頃からサーフィンも海も大好きな天真爛漫な女の子。でも、自分のやりたいことがまだ分からず、自分に自信を持てないでいる。右は恋人の港