5月末に著書『共感SNS 丸く尖る発信で仕事を創る』を上梓したゆうこすさん。知名度ゼロの状態からフォロワー150万人を築けた理由について、本に込めた思いについて、さらに描いている将来について迫りました。

きっかけは110万円のランチ

日経doors編集部(以下、――) 著書、『共感SNS 丸く尖る発信で仕事を創る』の反響がひろがっています。この本では、どのようにしてSNSでフォロワー150万人を築くことができたのか、事例を交えながら細かく書かれています。なぜこのような本を書くことになったのですか?

ゆうこすさん(以下、ゆうこす) 一般の会社員の方からSNSの使い方を教えてほしいという話が増えてきて、一度がっつり書いておきたいなと思っていました。具体的な話が進むきっかけとなったのが幻冬舎の社長、見城徹さんとのランチ会です。もともと私がSNSでフォローしているSHOWROOMの前田裕二社長や堀江貴文さんが「見城さんを尊敬している」とおっしゃっていて、私も見城さんのSNSをフォローしたり、出演されている番組を見るようになったりしました。そのお考えやお人柄に魅了されて、いつかお会いできたらと考えていました。そんなとき、タイムバンクというアプリで見城さんの時間が売り出されていたんです。90分、ランチをご一緒して110万円。それを見た瞬間、0.001秒で「買おう」と決めました。

幻冬舎社長の見城さんの時間を110万円で購入。「迷わずにすぐに買いました」とゆうこすさん
幻冬舎社長の見城さんの時間を110万円で購入。「迷わずにすぐに買いました」とゆうこすさん

―― え、110万円ですか?!

ゆうこす 確かに20代の女性にとっては高額だと思いますが、こんな機会はめったにないなと。それに見城さんの時間を最初に買った女というだけで面白いし、覚えてもらえるかもしれません。買ったその日から実際にお会いするまで1カ月、眠れない日々が続きました。ダラダラ自己紹介するのは意味がない、自分のことを明確にいかに面白く話せるか、もっと自分のことを知らなければ……と必死で考えていました。

―― 実際にお話しされて、本を出版しようということになったんですね。

ゆうこす 当日はとにかく緊張しすぎて、人間ってこんなに手に汗をかくんだとびっくりしたほどです。ただ「本を出してほしい」などと直談判したわけではありません。でも見城さんは占い師のような方で、こちらが考えていることを何でも見透かされてしまう。私が本を出したがっているということも見抜いてくださいました。本当にパワースポットのような方で、お話が終わった後、なんでもできる気持ちになりました。

SNSのノウハウを全部詰め込んだ

―― ご著書にはSNSをどのように活用していけばいいのか、詳細に書かれてあります。試行錯誤しながら得たノウハウをすべてさらけ出してしまうことを、もったいないとは思わなかったんですか?

ゆうこす 全く思いませんでした。出し惜しみしても仕方がないなと。ゆうこすの失敗を書くことで、誰かを勇気づけられればという思いでした。私より下の世代は血の中の赤血球のようにSNSが存在していて、当たり前の存在になっています。しかし上の世代は「大炎上したらどうしよう」などと失敗のリスクを恐れていることが多い。ただ、SNSを上手に使いこなせば世界は広がっていくと思うんです。