2019年4~6月にわたって放映された人気ドラマ『わたし、定時で帰ります。』(以下「定時」と表記)をはじめ、さまざまな人気ドラマのプロデューサーを務める新井順子さん。ドラマが好きでたまらないという新井さんに、どんな思いをドラマに込めたのか、普段どのような仕事の仕方をしているのか、伺いました。

TBSスパークル エンタテインメント本部 ドラマ映画部 プロデューサーの新井順子さん。大阪府出身。湊かなえ氏の作品『夜行観覧車』(2013年)、『Nのために』(2014年)、『リバース』(2017年)や、『アンナチュラル』(2018年)『中学聖日記』(同)などヒット作を次々と手掛ける

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 「定時」は、定時で帰る主人公や、残業を強いる上司などが登場することから、登場人物たちの「働き方」に高い関心が集まった。ドラマをつくる側の働き方は、どうなのか。

 ドラマのプロデューサーという肩書から始終忙しいのではと想像していたが、状況によるという。「今回(「定時」)でいえば、1月にスタッフを集め、2月にドラマの撮影開始。4月に放映を開始して6月に終わります。この半年間は忙しいですね。次のドラマの予定が近ければ忙しいし、半年後などで空く期間があれば、企画提案やネタ探しの準備をしています。オフィスにいつもいるわけではなく、毎日仕事の内容が違いますね」

 時間があれば外に出て、喫茶店で人々の話を聞いたり、感性を磨くため、映画や舞台を見たりしている。

 仕事柄ドラマを見る。忙しいときでも、TBS系はもちろん他局ドラマ、NHK、深夜帯も含め、1週間に20本ほどのドラマを、全部見る。俳優に役をオファーするときに、その俳優の過去の出演ドラマを見ていなかったら話にならない。「1週間分を全部、死ぬ思いで見ています。でも見ているから、この演技はいいな、とかちょっとどうか、というのを記憶している」

 どんなシーンでも頭に入るよう、1人で集中して見る。「台本(セリフや場面状況などが書いてある本)があがってきたときに、あ、このセリフはどこかで聞いたことがある……って分かる感覚です。(自分の企画が)後発だとして、同じようなセリフや設定があったら、視聴者には、以前あったドラマをパクったと思われる。だったら変えようってなります」