IT先進国として発展を遂げ、スタートアップ企業を支援

 「ニュージーランドも男女間の賃金格差解消を目指しています。この方針は国内の経済を発展させ、ビジネスにおいても利益をもたらすでしょう。例えば、ニュージーランドでは女性の就農を後押しするプログラムを実施中です。このプログラムでは日本の女性農業従事者がニュージーランドの畜産業を体験できる機会を提供しています」

 ニュージーランドの主な産業は酪農であり、中でも乳製品の輸出量は世界最大を誇る。同国にとって、日本は第4の貿易相手国であり、乳製品をはじめ、羊毛やキウイなどが輸入されている。

 アーダーンさんはスピーチの中でも「日本とニュージーランド、双方の貿易総額は約90億ドル、投資総額は約55億ドルと経済面でも日本は大切なパートナー」と語った。

「IT教育を進め、起業しやすい環境づくりに取り組んでいます」
「IT教育を進め、起業しやすい環境づくりに取り組んでいます」

 酪農大国の側面を持つ一方で、ニュージーランドはIT先進国としても大きく発展している。国を挙げてIT教育に力を注いでおり、かつ誰もが起業しやすい環境を整えているため、スタートアップ企業も増加中だ。その中には、アメリカや中国の大手IT企業のパートナーとして大きく成長している会社もある。

 「国際機関による評価で、我が国は透明性、腐敗の少なさ、幸福度などにおいてトップクラスのランキングに位置し、ビジネスのしやすさにおいては常に世界第1位の評価を得ています。政府の経済政策により、年間経済成長率は2.4パーセントを達成しており、オーストラリア、カナダ、ユーロ圏、英国、そしてOECDの平均を上回っている。 また、失業率も最低を記録中です。経済政策のほか、インフラへの投資も積極的に行い、特に病院や学校建設、交通面においてはこれまでにない投資を実現しています」