2019年9月20日、ニュージーランドの女性首相、ジャシンダ・アーダーンさんの来日を歓迎するビジネス昼食会がコンラッド東京で開催された。アーダーンさんは現職の首相として世界で初めて、産休を取得したことでも知られる。「多様性」のある社会の実現に向けたニュージーランドとアーダーンさんの取り組みを紹介する。

女性の雇用の拡大は、多様性を受け入れる社会の実現につながる

 南西太平洋に位置するニュージーランドは、北島と南島の2島を主とした多くの島々から成り立つ民主主義国家だ。国土は27万534平方キロメートルと日本の約4分の3で、人口は約495万人。先住民のマオリをはじめ、欧州系、アジア系などさまざまな民族が共存する多民族国家としても知られている。

 ニュージーランドは1893年に世界で初めて女性の参政権(投票権)を認めた国であり、以降、政治・経済界においても多数の女性リーダーを輩出。過去には2人の女性首相が擁立された。

 アーダーンさんは2017年、当時37歳で首相に就任した同国3人目の女性首相。就任から数カ月後に妊娠を公表し、現職の首相として世界初となる6週間の産休を取得した。

 妊娠を報告する記者会見では「複数の役割をこなす女性は、私が最初ではありません。仕事をしながら赤ちゃんを産む女性も、私が最初ではありません。ほかにも多くの女性がやってきたことです」と語った。

 産休中は、副首相で外務大臣のウインストン・ピーターズ氏が首相代行を務めたが、その間もアーダーンさんは自宅で執務にあたり、重要な決定事項についての判断を行っていた

 2018年6月に長女を出産した後は、アーダーンさんのパートナーが主に家事と育児を担っている。復職後、アーダーンさんが子連れで国連総会に出席した姿は世界各国で報道され、ニュージーランドの多様性と女性活躍の在り方について称賛する声が多く上がった。

 昼食会でのスピーチでは 「アベノミクスはフレックスタイム制の導入などを通じて、女性が出産後に社会復帰することを後押しするなど、女性の労働市場への参加を積極的に推進している。こうした女性の雇用の拡大は多様性を受け入れる社会の実現につながるでしょう」と語り、ニュージーランドでの取り組みについても次のように話す。

笑顔でスピーチするアーダーン首相