Twitterのつぶやき『ゲイの精神科医Tomyのつ・ぶ・や・き♡』が評判を呼び、たった半年ほどで13万フォロワー突破するなど、人気を呼んでいる精神科医Tomyさん。つぶやきが生まれた背景や、「今も昔も変わらないお悩み」について、話を聞いた。

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精神科医Tomy
精神科医Tomy
1978年生まれ。某名門中高一貫校を経て、某国立大学医学部卒業後、医師免許取得。精神科病院勤務を経て、現在はクリニックに常勤医として勤務。近著『精神科医Tomyが教える1秒で不安が吹き飛ぶ言葉』『精神科医Tomyが教える1秒で悩みが吹き飛ぶ言葉』(ともにダイヤモンド社)は、シリーズ累計9万部突破。

心を打つ140文字のメッセージ、どう生まれた?

 何気なく開いたTwitterのタイムラインに流れてくるメッセージ。たった140文字なのに、なぜか心を打つ――。つぶやいている主は、2019年6月から本格的にTwitter投稿を開始した、精神科医Tomyさんだ。『ゲイの精神科医Tomyのつ・ぶ・や・き♡』が評判を呼び、たった半年ほどで13万フォロワー突破するなど、人気を呼んでいる。

 「つぶやき始めたきっかけは、『誰かの役に立つことがしたい』と思ったから。つぶやく言葉は、普段から書きためておいたものよ。

 アテクシ、散歩が好きなの。住宅街の街並みを眺めたり、その街に住んだ自分を想像してみたり……そんなときに、ふと思いつくことが多いわね。今までの人生を振り返ったり、これからどうしようかなと考えたり。思いついたら、すぐにEvernote(メモアプリ)にメモよ。

 クリニックの患者さんの診察でも、『自分だったらどうするかな?』と考えてみる。患者さんとの会話の中から、良い言葉が生まれることもあるわ。ジャズみたいな感じ。アドリブの中で生まれることは多いわね」

かつてはTomyさんも同じように悩み、苦しんだ

 タイムラインに流れてくるつぶやきは、時に恋愛についてだったり、自己肯定についてだったり……とジャンルはさまざま。Tomyさん自身も、思い悩み、苦しんだ時期があった。

 「自分がゲイだということに悩んでいたときもあったわね。パートナーが亡くなってしまったこともあったわ。彼はビジネスパートナーでもあり、何でもできるしっかりした人だったの。アテクシは彼に頼りっきりだった。彼が亡くなって、仕事を引き継いだのだけれど、どうしたらいいか分からない。相談できる人もいない。一人で悶々(もんもん)とするしかなかったわ。

 今はカミングアウトした友人も、力になってくれる人もいる。けれどあのときは、本当に孤立していた。悩みや不安を『こういうとき、どうしたらいいんだろう?』と、自分で考えて解決できたときに、この言葉たちが生まれたの。その思いを、同じように悩んでいる人たちに伝えたくて

「悩み」は、昔も今も変わらない

 今や、一人1台はスマートフォンを持ち、SNSで発信することが当たり前の時代になった。2020年は、新型コロナウイルス感染症の影響で、仕事や生活に不安やストレスを感じている方も少なくないだろう。

 SNSやコロナの影響で、近ごろ特に増加している悩みはあるのか、と尋ねると、「昔から普遍的な悩みは人間関係」とTomyさん。職場や家族、友人、隣人、プライベート……。他人と比較してしまうことで思い悩む相談は、昔も今も変わらず多いのだそう。

 そこでTomyさんに、自分に自信が持てないと悩む人必見の「自己肯定感の高め方」を聞いた。後半の記事では「他人と比較しない方法」「大人になっても束縛する母親」について話を聞いたので、こちらもご一読いただきたい。