何気なく開いたTwitterのタイムラインに流れてくる、心に染み入る140文字の言葉。つぶやいている主は、2019年6月から本格的にTwitter投稿を開始した、精神科医Tomyさんだ。インタビュー後編は「他人と比較しない方法」「大人になっても束縛する母親」について、話を聞いた。

前編 精神科医Tomy「空気なんて、読まなくていいのよ」
後編 大切なのは「自分がどうしたいか、よ」精神科医Tomy ←イマココ

他人と比べないようにするには、どうしたら?

 「周りの友人は結婚していくのに、自分には出会いもない」「同期は活躍しているのに、自分は何も成し遂げていない」――。つい他人と比べてしまい、「自分はなんで、できないのだろう」と、劣等感を抱いてしまう。そんな経験がある人もいるのでは? 他人と比べないようにするための「処方箋」はあるのだろうか。

 「そんな人には、まず『あなたが純粋にやりたいことはなんですか?』と聞きたいわね。やりたいことがなければ、それを探すところから始めてみて。

 他人と比べている時点で、自分のやりたいことをやっていないの。『自分自身』に意識を向けることが大事なんです。要は、頭がおヒマなのよ。やることがたくさんあるときって、ネガティブになっている時間なんてないじゃない? 考えることがなくなり頭がヒマになってしまうと、思考は自分に向かっていく。そうすると、ネガティブなことを考えたり、他人と比較したりして落ち込んだりしてしまうの。

 やりたいことが見つかれば、それに集中する。『今日の夕食の献立を一品増やす』でもいいのよ。そうやって、ネガティブな思考から意識をそらしてあげるといいわね」

 そのほかに大切なことが2つある、とTomyさん。一つ目は「寝る」こと。ネガティブな思考になっているときは疲れているので、体を休めることが大切。二つ目は「自分で自分の機嫌を取ること」。

 「甘いものを食べたり、元気をもらえる人と話したり、リフレッシュできる映画を見たり。その時々の気分があるので、いくつか用意しておいたほうがいいわね。これは、『元気なときに考えておく』のがポイント。元気なときって、落ち込んでいた時の自分を忘れちゃうのよ。『自分を知る』って、とても大事。元気になるすべを知っている人のほうが、強い人間だわ」

 しかしこれも、やりすぎは禁物だとTomyさん。元気だからといって、仕事や遊びなど予定の詰め込みすぎには注意が必要だそう。

 「燃え尽きてしまうわ。元気なときの過ごし方が大事なの。元気なときは、できそうなことを半分やればいい。疲れているときは、無理しないでさっさと休む。エネルギーは、使った分だけなくなると思っておいてくださいね」