「今の時代、働き方の選択肢は多様にあります」――そう言われるほど、何が正解か分からない! 甘っちょろい「女子力」なんかじゃ未来の扉は開かない。じゃあ、どんな武器が、アイデアが、私たちには必要なんだろう。一緒に考えましょう。

doors世代が生まれ育った「平成」が終わろうとしています。この31年間で、女性の仕事と結婚・出産を取り巻く「普通」は大きく変化したけれど、仕事と家庭の両立に関する悩みは今も尽きません。白河桃子さん、未来の「仕事と結婚・出産の両立」のヒントを教えてください!

【平成元年(1989年)~】

出産=退職が「普通」だったdoors世代の母親たち

 doors世代の母親たちが結婚・出産の時期を迎えていたのが平成元年(1989年)ごろ。1991年に育児休業制度が法制化されるまでは、育休を取れるのはごく一部の職種に限られていました。

 「出産後も仕事を続けるという選択肢がなく、経済的な事情がある人や、キャリアを積む強い意志を持った人以外は、退職するしかないのが『普通』のコースでした」

 1995年に「育児・介護休業法」が制定され、「女性に優しい企業」が脚光を浴びると、時代がようやく「育児と仕事の両立」のフェーズに入ります。しかし、高度成長期から続く長時間労働推奨の空気が色濃く残り、女性が出産後も働き続けることはまだまだ困難な時代でした。

【平成21年(2009年)~】

正社員は7割が就労継続! 共働きが多数派に

 「法制度として非常に影響が大きかったのは、平成21年(2009年)の育児介護休業法の一部改正です。いわゆる『時短』が取れるようになり、スーパーウーマンじゃない『普通』の働き続けたい女性が復帰できるようになりました」

 出産後の女性の就業継続率は、1985年の調査から4割程度で推移していましたが、2010年~2014年の調査結果では53.1%に上昇。正社員の女性に限ると、7割が復帰しています※1。

 「継続率アップの理由としては、男性の一人稼ぎモデルが限界を迎えているという点も大きい」と白河さん。

 国税庁の「民間給与実態統計調査」によると、この10年、男性の平均月収は上がっていません。「共働きで家計を支えるのが必須の時代を迎えているのです」

 
※参照1:国立社会保障・人口問題研究所「第15回出生動向基本調査(夫婦調査)」2015年