恋愛にも結婚にも家族にも、人の数だけ形があります。固定概念やバイアスを振り払って、自分らしい生き方・在り方を探してみませんか? この連載では、さまざまな人が織りなす恋愛、結婚、家族の形をお届けします。今回は、自身の体験をつづったエッセー漫画『夫は実は女性でした』(講談社)の作者・津島つしまさんに話を聞きました。

(上)「実は女性です」結婚8年目、夫からのカミングアウト
(下)夫婦から婦婦へ、夫のカミングアウトを経て築いた関係 ←今回はここ

津島つしまさんは、20代の頃に高校時代の同級生と結婚。夫婦2人で、さほど大きなケンカをすることもなく暮らしていましたが、結婚8年目のある日、夫(以下、わふこさん)から「本当は女性なんです」と告白されました。離婚は選択せず、現在も結婚生活を続けている津島さんとわふこさん。下編では、わふこさんから告白されたときの心境や、カミングアウトを受け止められた理由などについて聞きました。

「実は女性なんです」と告白されたときの心境は?

編集部(以下、――) わふこさんからトランスジェンダー(編集部注:出生時に割り当てられた性と異なる性を自認している人)であることを告げられたときは、どういう心境だったのでしょうか?

津島つしまさん(以下、津島) 「でしょうね!」という感じでした。驚くよりも、曖昧だったことに決着がついて、スッキリしたという感覚です。それまで、2人で仲良く暮らしてはいたのですが、わふこがどこか心を閉ざしていると感じることはあって。カミングアウトしてくれたことで、「なるほど」と、ふに落ちたんです。

『夫は実は女性でした 』より (C)津島つしま/講談社
『夫は実は女性でした 』より (C)津島つしま/講談社

―― カミングアウトを受けた後、2人は結婚生活を続ける選択をしましたが、その決断をするまでに離婚を考えたことはありますか?