恋愛にも結婚にも家族にも、人の数だけ形があります。固定概念やバイアスを振り払って、自分らしい生き方・在り方を探してみませんか? この連載では、さまざまな人が織りなす恋愛、結婚、家族の形をお届けします。今回は、2016年10月に築地本願寺で同性同士の結婚式を挙げてパートナーと夫夫(ふうふ)になり、現在は東京と山梨の二拠点でLGBTの理解促進や支援活動を行っている七崎良輔さんに話を聞きました。
(上)七崎良輔 友人にゲイだと告げ「つらかったと気づいた」
(下)七崎良輔 「ゲイとして家庭を築き最強に幸せに生きる」 ←今回はここ
母親へのカミングアウト
編集部(以下、――) 前編「七崎良輔 友人にゲイだと告げ『つらかったと気づいた』」では、ゲイだと自認した当時のことや、友人へのカミングアウトについて伺いましたが、家族にはどのように伝えましたか? 20歳の頃に母親にカミングアウトされたそうですが、伝えようと思った決め手は何だったのでしょうか?
七崎良輔さん(以下、七崎) 20歳の頃、自分の10年後を想像し、最高の未来をイメージしてみたんです。そのときに思い描いたのが、「私の隣にはすてきなパートナーがいて、私たちを祝福してくれる家族もいる」という未来でした。
そういう未来を想像したなら、そこに向かって突き進むしかない。本当にたどり着けるかは分からないけど、最強に幸せになるためには、一歩ずつ近づいていくしか方法はありません。だから、まずは母親にカミングアウトすることにしたんです。
もちろん、カミングアウトすることで母を苦しめるかもしれない可能性は、嫌というほど考えました。でも、言わないなら言わないで、一生隠し通していくつらさもある。どちらもつらいなら、ゴチャゴチャと考えるのはやめて、自分が理想とする未来に向かっていこう。同性愛にネガティブなイメージを持つ人もいるかもしれないけれど、将来はゲイとして幸せな家庭を築いて、ネガティブなイメージ自体を変えていきたいと思ったんです。
―― カミングアウト後の反応はどうでしたか?