自己投資はしたいけどコスパが不明

 お金を「使う」上での悩みや疑問について、多く聞かれたのが「自己投資」でした。今回のアンケートでは、「スキルアップ費」が平均で月額9100円、「趣味・レジャー費」が平均で月額1万4400円使っているという回答でした。お金をかけただけの効果があるのか、こんなに使っていいのかと迷う人たちもいるようです。

投資に対する意見
・貯蓄よりもっと自己投資や趣味など自分のためにお金を使いたいが、どこまでなら使えるのか、なかなか判断がつきかねている。(28歳、その他業種)
・趣味にかけていい金額が、何を手にしたか・リターンを考えると分からない。(32歳、医療福祉)
・ストレス発散としての趣味(海外旅行、観劇)は家賃の次にたくさんお金を払っている。でもやめられない。(31歳、金融)

 横川楓さんは「自己投資をして、その先に自分が何を求めているかはっきりすれば、お金を使うことに納得できるはず」と言います。「取っても別に給料が上がらない資格もあります。それより、例えば2年後に今の会社にいるのか考えてみる。ちょっとチャレンジして転職するとして、その時に実現していれば転職先が広がったり給料が上がったりしそうな目標に絞れば、自己投資のコスパがもっと明確になるでしょう」

 趣味については、横川さんは自らのポリシーである「後悔しないようにする」を基準にするといいます。

 「行動しなかった後悔は、行動した後悔より深く残る、といいます。それをなくしたら自分は満足できるのか、後悔しないのか。お金をかけることで得られる楽しさやストレス発散に納得感があって、自分の家計を圧迫していない範囲であれば、広い意味の自己投資と考えていいのかなと思います」

 次回は、アンケートの結果からdoors世代のお金を「貯める・増やす」の実態について探ります。

横川楓(よこかわ かえで)
横川楓 1990年生まれ。実家が会計事務所を経営、幼い頃からお金に関心を持って育つ。明治大学大学院経営学修士(MBA)、ファイナンシャルプランナー(AFP)。過去に地下アイドルとしても活動。若い世代に向け、等身大の目線でお金の知識を発信。著書に『ミレニアル世代のお金のリアル』(フォレスト出版)

文/秋山知子(日経doors編集部) 写真/鈴木愛子