Q.将来子どもができるか、できないかでお金のプランが大きく変わる。どう見ておけばいいですか?(31歳、その他業種)
A.教育費と養育費で年間約100万円支出が増えると考えて。大学の費用は18年かけて準備。

 「子どもが生まれたら、教育費と養育費で年間100万円くらい支出が増える、という感覚でいるのがいいでしょう」(風呂内さん)

 「高校卒業までは、年間100万円くらいを捻出し、さらに経済的に余裕があるなら私立も考えます。大学費用だけはどの進路でも短期間でまとまったお金が必要なので、生まれた時から毎月1~2万円程度貯蓄します。大学進学までに200~400万円たまる計算になります。これで入学の年を乗り越え、2年目以降は貯蓄の残りと、大学入学以降の収入でやりくりするイメージです」

 現在、子どもが生まれてから中学修了前までは児童手当が支給されます(子どもの人数、年齢によって月1万円から1万5000円。ただし親など養育者の所得が限度額を超える場合は子ども1人につき5000円)。「制度が変わらなければ、児童手当をすべてためると約200万円になるため、生まれた時からの貯蓄の多くを児童手当で代替できます」(風呂内さん)

Q.病気やけがなどで働けなくなったらと思うと不安です。(31歳、製造)
A.保険で補うのも手。リーズナブルなものを厳選する。

 「シングルでも共働きでも、働けなくなったときにもらえる保険の重要度は高まってきています。これまで、働けなくなった場合の保険に入るのは世帯主の男性が多かったですが、シングルの女性も必要度は高いでしょう」と言うのはファイナンシャルプランナー(CFP)の柳田典子さん。

 「まず、勤務先の会社のグループ保険に割安な就業不能保険(長期休業保障保険など)があるかどうか調べてみてください。月々数百円と割安な掛け捨てで入れることがあります」

 日本人は、医療費の6割を60歳以降に使うそうです。本来20代~30代は健康状態のいい年代で、保険料は安く設定されています。「例えば死亡保障の保険料は年齢が10歳上がると2倍にアップ。医療保険でも10歳上がると保険料は1.5倍から1.6倍くらいになります」

 20代~30代女性の入院理由としては妊娠・出産や婦人科系疾病など女性特有のものが多いので、そうした特約のあるリーズナブルな保険を選んで一つだけ入っておくのもよい、と柳田さん。

 入院や治療で高額の医療費がかかった場合、健康保険に加入していれば、最大でも月10万円以内の支出で済む「高額療養費制度」が利用できます。このため特別な医療保険に加入する必要はないという考え方もあります。

 「しかし今後、働く人口が急速に減少していけば、健康保険制度が現在の条件でずっと続くかどうかは分かりません。現在は医療費の自己負担割合が3割でも、今20代の人が80歳になる頃には制度が大きく変わっているかもしれません。若い時に安い保険料ベースで保険に入っておくことがリスクヘッジの一つになると考えることもできます」

取材・文/秋山知子(日経doors編集)