無理のない資産配分は?

 投信をコツコツと積み立てていくスタイルを選んだおぱるさん。定期的に定額で投信を買うスタイルのメリットについて、「基準価額が高い時は少量で買えること。また、取引のタイミングを気に掛けずに済み、普段はほぼほったらかしにして仕事やプライベートライフを優先できます」と話します。

 投資の前に、何かあったときのための「生活防衛資金」を取り分けます。おぱるさんの場合は「安心のために2年分の生活費をまず銀行預金で確保しました」

 残りを投資向けとして、リスク資産(投資信託)と無リスク資産(現預金や個人向け国債)をどういう比率で持つか決めます。おぱるさんの場合はリスク資産が60%、無リスク資産が40%という配分にしています。

 さらにリスク資産の配分は、自分がどの程度のリスクを許容できるかを考えて決めます。おぱるさんは、株式で運用する投信を投資の対象にし、その資産配分を「先進国株式80%、日本株式10%、新興国株式10%」と決めています。

 「世界の株式市場の時価総額に準じた比率です。自分で設定すると、日本株が多いほうがいいか、新興国株がもっと欲しいかなど難しくて決めにくいので、世界全体の経済の成長に準じた配分にすれば、何かあっても『しょうがないか』と思えるのではと」

おぱるさんの保有するファンド
つみたてNISAで購入
・eMAXIS Slim 全世界株式(オール・カントリー)

保有のみ
・ニッセイ外国株式インデックスファンド
・ニッセイTOPIXインデックスファンド
・野村インデックスファンド・新興国株式(Funds-i)
・ニッセイ日経225インデックスファンド
・セゾン・バンガード・グローバルバランスファンド、楽天・全世界株式インデックス・ファンド

 基本は、一度買った投信はできるだけ売らずに長期保有し(バイ・アンド・ホールド)、複利で増やしていくことを狙います。各投信の価格が動くとポートフォリオの比率もずれてくるため、年に一度程度リバランス(比率の再調整)をしますが、保有する投信は売らずに新たに買った分で調整をしたいと考えています。

 おぱるさんは投資を始めた直後から、インデックス投資家の先輩と共にオフ会を毎月開いて情報交換を続けています。「情報を取りに行くのが大変だったので、投資の先輩と初心者が気軽に話ができる場をつくりました。皆さんのおかげで投資へのモチベーションが続いています」。新しい投信が発売されたなどの情報も、先輩投資家さんたちがSNSなどで共有してくれるそうです。

 税金が優遇されるiDeCoやつみたてNISAなど、コツコツ長期投資する環境は整ってきています。これから始める人へは「やはり最低限の勉強をしてどんな投資方法が自分に合っているのかよく検討し、そこが決まったら少額からでも始めてみるといいと思います」。