突然彼が無職に、投資で経済的自立を目指す

 さて、次はゆうきさんの例です。専門商社の事務職として働くゆうきさんは、投資を実践する傍ら、同世代の働く女性に向けてブログ「投資OLライフ」やSNSで情報を発信、自主企画のイベントやオンラインサロンを主宰しています。

 「自分自身の経験から、お金の不安を解消すれば、恋愛や仕事などの悩みの多くが解決すると知りました。このことをメッセージとして伝えたいんです」

 きっかけは3年ほど前、25歳の時。付き合っていた彼が激務からうつになって会社を辞め、別れてしまったこと。「このまま一生結婚できなかったらどうするか。お金に困っていなくても突然無一文になることもある。経済的に自立しなくてはと深刻に考えてしまいました」(ゆうきさん)

 まず考えたのが転職して収入アップを図ること。勤め先の会社は、残業はないもののキャリアアップはあまり望めそうになく、仕事は営業支援の事務作業で「いつAI(人工知能)に取って代わられてもおかしくない業務」。本気で会社を辞めるつもりで転職活動をしましたが、希望に合う業態や職種は見つからず断念してしまいました。

 そこで「今の職場なら自分の時間は確保できる。この時間を使って投資すれば経済的自立を目指せる」と考えたといいます。

 勉強し、実践するうちに自信がつき、不安が軽くなっていったというゆうきさん。恋愛面や仕事面でも好影響があったそうです。

 「昔は、お付き合いするなら絶対に年収が高い人がいいと思っていたんです。でも自分自身のお金の不安が少なくなると、男性を年収やスペックで見なくなりました。勤務先が有名企業かどうかより、どんな状況になってもやり直せるような内面的な強さのある人がいいと思うようになりました」。経営者や投資家との交流が増え、経済や時事に興味を持つようになって会話の幅も広がったそうです。

 仕事面では、働きやすい今の職場のありがたみが分かり、不満が消えたそう。もしも会社がなくなったり、仕事がAI化されてしまっても何とかやっていけると思えるようになり、自分ならではの視点を仕事に生かすためスキルアップ講座を受けるなど、積極的に自分の価値を高めようという意識も生まれたといいます。