2003年に登場したリラックマが、カオルさんという名前のOLさんの家にいきなり住みついた着ぐるみのクマだということをご存じでしたか? 4月19日からNetflixで全世界独占配信が始まる『リラックマとカオルさん』では、ストップモーションアニメとして、優しくてちょっぴりほろ苦い、リラックマとカオルさんたちが過ごす色とりどりの12カ月を楽しめます。この作品でカオルさんの声優を務める多部未華子さんと、脚本を担当した荻上直子さんにインタビュー。お二人に、キャリアの入り口に立っていた頃の自分を振り返り、doors読者にメッセージを送ってもらいました。

27歳まで大学院に通っていた荻上さん。15歳から仕事を始めた多部さん

大学卒業後、女優業一本に絞って「楽になった」

日経doors編集部(以下、――) 今回、多部さんが声優を務めるカオルさんは、都内の小さな商社に勤める、25歳の、ごく普通のOLさんだそうですね。さて、仕事を始めるのは20代前半からというのが一般的ですが、多部さんが俳優のキャリアをスタートさせたのは、15歳のときでした。

多部未華子さん(以下、多部) はい。ミュージカルが大好きで、小さい頃からよく両親に観に連れていってもらっていました。小学5年生のときにミュージカル「アニー」を観にいき、自分と同い年ぐらいの子が主役を演じているのを目の当たりにして「羨ましい」と思って。その後、アニーのオーディションを受けたのが、この仕事を始めたきっかけでした。

―― 歌が印象的な作品ですよね。歌はお得意だったのですか?

多部 いいえ、特に習ったこともなく、何もできない状態でオーディションを受けて……、落ちて(笑)。そんなことを3年ぐらい続けていたとき、14歳で、今の事務所を紹介してもらいました。15歳になって別のオーディションを受けて映画に参加したのが、ちょうど高校の入学式の頃。当時はまだあまり「仕事」という感じはしていなかったです。

 仕事という自覚が芽生えたのは、大学卒業後、女優業一本に絞ったときです。大学では留年と休学を1年ずつしていたので、卒業が23歳。……遅いですよね。むしろ仕事一本になって楽になったという思いが大きかったです。それまでは学校の課題やリポート提出の締め切りに追われている生活でしたので。

―― それから今に至る約7年間の俳優生活の中で、何か転機はありましたか?

多部 うーん、私、仕事に関してはつらいと思ったことが一度もないんです(笑)

荻上直子さん(以下、荻上) 辞めたいとか、思ったこともないのですか?

多部 それは、たくさんあります。言ってみれば「(この仕事を)ずっと続けたい」という欲がありません。こういうスタンスが自分を楽にしてくれているような気がします。「いつでも辞められる」という感覚がずっとあります。

荻上 では、辞めたいと思うときは、なぜ辞めたいと?

学校の課題やリポート提出の締め切りに追われながらの女優業は、やはり大変だったという多部未華子さん