インスタグラムで話題の漫画「#イタ恋 イタイ恋して何が悪い!?」などの漫画を描いている岡山里香さん。インスタグラムは開設半年ほどでフォロワー数10万人を超え、漫画家デビューしてから約1年で書籍2冊を出版。現在は1カ月に連載4本をかかえ、200ページは描くという人気ぶりです。順風満帆に見えるキャリアですが、岡山さんは「20代は自分が本当にやりたいことをできず、本心に蓋をしていた」と言います。どのように自分が本心から望むことを実現してきたのか、その道のりを聞きました。

働くことにピンと来ず、就職は「腰かけ」だと思っていた就活期

日経doors編集部(以下、──)岡山さんは新卒時に求人広告サービス会社に勤め、ヘアメークの道に転向し、その後に起業、漫画家というユニークなご経歴ですよね。やりたい仕事に真っすぐに突き進んで来られたという印象を受けます。

岡山里香さん(以下、岡山) いえ、それが就活時には「働く」ということに対してピンと来ていなかったんです。一般職の面接で、「事業の業務効率化を図りたい」と言ったら、「君は総合職のほうが合っていると思うよ」と言われて、採用面接の途中で職種を切り替えられたこともありました。就活中の企業説明会や面接で「会社」や「働く」ということについてイメージを固めていった気がします。それでも、「長く会社勤めすることはないんだろうな」と腰かけ程度に考えていました。

──なぜ、求人広告サービス会社を選んだのですか?

岡山 商社やメーカー、金融などいろんな業界を視野に入れ、何社かOB訪問するうちに、「あの求人広告の会社を受けるといいよ」と他社にもかかわらず勧められたんです。選考が進むうちに激務だと耳にし、「この会社で一番忙しい人の話を聞かせてください」と頼んで、本当に会わせてもらいました。でも、その社員は人事部の人だったんですよ。「仕事は忙しいけど、メリハリがある。平日の早朝と土日はサーフィンをしている」と言ってくれたけど、人事の人だし、信用できないな、と(笑)。「2カ月で就活を終える!」と決めていたので内定が出た時点で他社の面接を受けるのは辞めましたが、「激務に違いない」と入社するまでおびえていました。

会社員から独立後、漫画家へ転身した岡山里香さん。「就活時には『働く』ことに対してピンと来ていなかった」と話す

──実際に激務でしたか?

岡山 確かに激務でしたが、仕事は楽しかったです。就職サービスの部署に配属され、主にwebメディアと就活イベントの企画の仕事をしていました。先輩が「もう先に帰っていいよ」と言ってくれても、「これをやり遂げてから帰るんで」と断るほどでした。最近になって思うのは、人事部の採用担当の方ってやっぱり審美眼があるんだな、ということ。配属された当時は「自分の就活が終わったばっかりなのに、また就活のこと考えるの!?」と不満でしたが、今になってみると私は人にアドバイスしたり、キャリアの相談に乗ったりすることが好き。人事担当者は、自分でも分からなかった特性を見抜いてくれていたんだなと思います