オトナな私たちはセックスを正しく理解している?

 このドラマには、高校生の恋愛や青春、セックスをテーマにしていますが、オトナになった私たちがセックスを正しく理解できているのかというと、答えはきっとノー。それは日本だけでなく、きっと世界中のオトナに当てはまるのではないでしょうか。

 現にドラマの中でもそのシーンは多く登場します。オーティスの母は有名なセックスセラピスト。彼女の元には毎日ひっきりなしにクライアントが現れ、夫婦関係の悩みや性の悩みを率直に伝えています。母はどんな悩みに対しても顔色一つ変えず、冷静に回答。人の数だけ性の悩みが存在し、カップルの数だけセックスの悩みが存在する。それらとは一生付き合っていくものだからこそ、不満に目をつぶってはいけない。解決する努力をしなければならないと、現状打破したいと必死に訴えるクライアントを見て思います。

オーティスの母で著名セックスセラピストのジーン。性のカリスマでありながら、息子の前では普通の母親としての一面も
オーティスの母で著名セックスセラピストのジーン。性のカリスマでありながら、息子の前では普通の母親としての一面も

 正しいセックスが何かなんて分からないけれど、互いを思いやりながらパートナーと共に楽しむことができたら、それが正解の一つなのかもしれません。少しでも違和感をもったり、相手と気持ちにズレを感じたりしたら、無理をせずに一旦立ち止まってみる必要があるかもしれませんね。


 今までタブー視してきた高校生のセックス問題について、ナチュラルに、当たり前に表現するこのドラマ。あなたは自分のセックスライフに満足していますか。今の高校生たちが直面するリアルな悩みに触れることで、自分の性に対する考えやパートナーとの関係を見直すよいきっかけをもらえるかもしれません。  

文/伊藤ハルカ イラスト/六角橋ミカ

『セックス・エデュケーション』
Netflixオリジナルシリーズ。シーズン1~2を独占配信中。