2020年はコロナで始まり、コロナで終わる一年でした。2021年も期待と不安が混在するスタートとなりましたが、気持ちだけでも明るく楽しく一年を始めたい……!そんな方にぴったりな海外ドラマをご紹介します。

ようこそ、夢の世界へ

 今回紹介するのは、2020年10月にNetflixで世界配信され、社会現象を起こすまでのブームを呼んだガールズドラマ『エミリー、パリへ行く』。パンデミックが進行する中、不安を抱えながら生活する世界中の人々の心を明るくし、不安を癒やしてくれるポジティブドラマです。コロナ禍で、人々は、この作品のどこに心奪われたのか。その秘密を解明していきます。

 本作の主人公は、シカゴのマーケティング会社で働くミレニアル世代のエミリー。地元に彼氏がいて、有能な上司にも恵まれ、満点ではないけれど、それなりに満足した人生を送っていました。そんな中、諸事情により、会社から突然パリへの赴任を命じられます。憧れのパリに住めるとあって、エミリーはもちろん二つ返事で快諾。寂しそうな彼氏をよそに、とっととパリへ飛んでしまいます。

 ドラマの舞台はそのエミリーの赴任先であるパリ。美しいエッフェル塔の夜景、宝石のように光り輝くデニッシュにワイン、甘いマスクのパリジャン。ドラマの中にはまるで夢のような世界が広がっています。極め付きは、エミリーが着用するカラフルなファッションの数々。ピンクをメインとしたベレー帽に花柄のコート、オードリー・ヘップバーンを思わせる黒のワンピースに、水色のミニスカート。ビビッドなカラーをふんだんにあしらったファッションの数々には、ファッショニスタから、ファッションに特段興味がない方まで、あらゆる人たちの心を鼓舞したのではないでしょうか。

自分だけのオシャレが、相手を幸せにすることもある

 現に私も、長引くステイホームで、毎日パーカーにレギンスと代わり映えのしない洋服で日常生活を送っていました。誰に会うわけでもないし、オシャレするパワーさえも湧いてこない。

 しかし、昨秋に本作を見て、無性にオシャレがしたくなりました。誰かに会う予定がなくても、家にいながら自分が好きなファッションを楽しむ。それだけで自然と気分が上がっていったことを覚えています。さらに、オンラインでの打ち合わせでは、先方から「画面に映り込んだカラフルなファッションから元気をもらった」との声をいただいたのです。家にいたって自分で自分のテンションをこんなにも簡単に上げられる(ましてや打ち合わせ相手まで幸せにする効果も!)。これはこのドラマを通じて得た私の学びでもあります。