違和感に声を上げていけるようになろう

 実際に、これと似た企業は腐るほどあると思いますし、私も経験があります。クライアントからの深夜の呼び出しに付き合わされたり、飲み会は先方が解散というまでエンドレスだったり。ひどいときには、クライアントが宿泊するホテルのバーに呼び出されたこともあります。

 けれど、こんな状況をおかしいと思いながらも目をつぶってきたのは、他の誰でもない私。男性にたてつくよりも、黙って受け流すことこそ大人の女性だと勘違いしていたところもありました。ただ内心、とても憤りを感じていたことも事実。そんな当時の怒りを、このドラマを見て思い出しました。

 私はこれまで、違和感を抱いても受け流すことしかできませんでした。でもこれからは、おかしなことには声を上げられる自分でありたい。立場や権力をすべてなげうって戦おうとするアレックスたちを見て、そんな強い気持ちが芽生え始めました。

 なかなか声を上げられない女性が多いセクハラ被害。その理由の一つに、セクハラのボーダーラインが曖昧なことが挙げられます。どこからがセクハラなのか、明確なルールがないために、「合意の上だった」や「思い込みでは?」などと片付けられ、結果的に、自分のキャリアが駄目になるのではないかと考える被害者が多いのです。