この春スタートするドラマの中から、おすすめの5作品をピックアップ。医療ドラマの新作や、現代ならではのテーマの意欲作が多数登場するので要チェック!

 春スタートのドラマは、今を象徴するようなドラマが多数集結。残業問題を切り口にしたドラマや、ゲイで女装家の教師の物語、目の前に立ちはだかるさまざまな「アホ」たちと「戦わずに」未来を切り開くドラマなど、どれも見どころ満載。さっそく紹介していこう。

わたし、定時で帰ります。

残業ゼロを貫く32歳の主人公に共感

 「働き方改革」が話題となっている今、タイムリーなテーマであり、特に残業問題を切り口として、社会人の持つべき「ライフワーク・バランス」が描かれる『わたし、定時で帰ります。』(TBS系)。朱野帰子の小説が原作となる。

 「定時で帰る」「残業しない」をモットーに、誰よりも集中して仕事を終わらせ、プライベートも大切にする主人公・東山結衣を、吉高由里子が演じる。吉高がTBS系の連ドラで主演するのはこれが初めて。

 くせ者ぞろいの同僚や、ブラックな発言をする上司の間で奮闘しながら、「何のために働くのか」「自分や仲間を大切にする」などのメッセージを伝える。共演は向井理、中丸雄一、内田有紀、ユースケ・サンタマリアほか。

 脚本は、『夜行観覧車』(13年)や『リバース』(17年)の奥寺佐渡子と清水友佳子のタッグとなる。前出2作品のほか、『アンナチュラル』や『中学聖日記』(共に18年)など、女性主人公のドラマを数多く世に出している新井順子プロデューサーが手掛ける。

わたし、定時で帰ります。
4月16日スタート 火曜22時 TBS系

デジタル・タトゥー

タイムリーな話題を人間ドラマで奥深く描く

 『デジタル・タトゥー』(NHK総合)もまた、現代を象徴する作品。タイトルは、インターネット上に公開された個人情報や画像などの記録はタトゥーのように消えず、半永久的に残り続けることを示す。

 他人に知られたくないプライバシーを暴かれて人格を否定されたり、過去の違法行為がさらされ続けてセカンドチャンスを得られないなど、ネット上での誹謗(ひぼう)中傷に苦しむ人たちに焦点を当てる。

 デジタルには疎い50代のヤメ検弁護士・岩井堅太郎を高橋克実が演じる。岩井とバディを組むことになる20代のユーチューバー・タイガ役には、『透明なゆりかご』(18年)や『まんぷく』など、NHKの作品で国民的な俳優に成長した瀬戸康史がキャスティングされた。一風変わったコンビが、デジタル・タトゥーに苦しむ人々を救い出す。

 脚本は、ラブストーリーの名手であり、ヒューマンドラマにも定評がある浅野妙子。今回は匿名性に隠れた「悪意」をテーマにしたサスペンス作品となる。

デジタル・タトゥー
5月18日スタート 土曜21時 NHK総合