新型コロナウイルス感染拡大の影響を受け、さまざまなことが制限されています。終わりの見えないこの状況に不安を抱えている人も多いでしょう。コロナ禍の今、視聴後にとても前向きになれるドラマ『セルフメイドウーマン 〜マダム・C.J.ウォーカーの場合〜』を紹介します。

 Netflixオリジナルシリーズドラマ『セルフメイドウーマン 〜マダム・C.J.ウォーカーの場合〜』は、視聴後にとても前向きになれるパワフルな作品。差別や偏見をものともせず、貧困家庭から自力で人生を切り開き、最後には、アメリカ屈指の大富豪まで上り詰めた、実在する黒人女性起業家のサクセスストーリーです。作品の中から、2つのハッピー哲学を紹介したいと思います。

哲学1「人生がどん底かどうかを決めるのは自分自身」

 舞台は1900年代初頭。人種差別、ミソジニー(女性蔑視)が根強く残る時代です。黒人であること、女性であることの二重差別を受けるマダム・C.J.ウォーカーが主⼈公。

 学歴はなく、幼いころ両親に捨てられ、14歳で結婚、15歳で妊娠、20歳で夫と死別……、と波乱の人生を歩んできました。上流家庭の衣類などを洗う「洗濯婦」として、最低賃金で働いていたマダムは、ある日ストレスから髪の毛がすべて抜け落ちる悲劇に見舞われます。あまりの惨めさに生きる希望を失いかけていましたが、ある「ヘアケア商品」との出合いがマダムの人生を変えていきます。

 使用後、髪がみるみるとよみがえっていっただけでなく、底辺まで落ちたマダムの自信までも復活。「美しくあることは人をこんなにも前向きにさせる」と開花し、あらゆる差別で悩み、虐げられているすべての黒人女性の人生をヘアケア商品で変えたいと願うようになります。

 マダムの壮絶な人生と比べるのは筋違いかもしれませんが、1900年代初頭の黒人や女性への差別も今のコロナ禍も、どちらも自分の力では防ぐことのできない不可抗力の事象であることは確かです。努力が足りなかったから起きたわけではありません。そこでマダムはどうしたか。