こんにちは。海外ドラマコラムニストの伊藤ハルカです。すべてを持っているように見えるけど、まだまだ全然足りない。そう感じている人、私以外にも実は多いのではないでしょうか。決して不幸ではないけれど、物足りなさを感じているならばこの海外ドラマを見て! 簡単そうに思えて実はとっても難しい、「自分の愛し方」を教えてくれる作品です。

『クィア・アイ』

ファビュラスなゲイ5人組が見た目も人生も変える

 5つの分野におけるエキスパートたちが、自分に自信のない人々の見た目と中身を大変身させる、アメリカで大人気のリアリティーショー。涙なくしては見られないと日本でも話題のシリーズです。

 彼らは、「ファビュラス(非常に素晴らしい)な5人組」を略して「ファブ5(ファイブ)」と呼ばれ、実はみんなゲイ。依頼人の人生に寄り添い、幸せな未来を描くための最善の方法を一緒になって考えてくれる、愛すべき5人です。

 この番組が他の変身番組と大きく違う点、それは、ファブ5がいなくても依頼人が最高の生活を継続できるよう工夫していること。

 『クィア・アイ』に応募してくる人々は、自信のなさが見た目に出てきてしまっている人ばかり。見た目だけ変身させたからといって、彼らの本質は変えられないとファブ5はよく分かっています。そんな彼らが大切にしていること。それは「依頼人と対話し、複雑に絡まった心のひもを解きほぐすこと」。

 ファブ5が依頼人によく言う言葉があります。

 「すごくすてき!かっこいい!見違えた!好きになりそう!」

 ありのままのあなたでいいのよ、もっと自信を持って。だってあなたは、こんなにすてきな人なのだからと全力で肯定してくれるのです。

 自分に自信満々な人なんて、世界中探してもそう多くはいない。みんな何かしらのコンプレックスがあるはずです。

 私だって、結婚するまでは結婚していく友人が羨ましかったし、結婚してからは妊娠し出産していく友人が羨ましかった。出産してからは、二人目を妊娠・出産する友人が羨ましく、二人目を出産してからは、バリバリと働き活躍する友人が羨ましい……。

 とどまることを知らない自分の欲深さに嫌になることも多いけれど、ファブ5が私を見たらきっとこう言うはず。「焦らなくていいから。今の自分にできることだけして!」と。

 ファブ5自身、さまざまな過去を背負っていて、ゲイであるが故に苦しんだ人も少なくありません。だからこそ彼らの言葉はとても深く、励まされます。きっとあなたも画面を通して自信をもらい幸せになれるはず。

『クィア・アイ』
Netflixでシーズン1〜3を配信中。特別エピソードとして日本版が2019年中に配信予定。