作中の名言から考える。「フェミニズム」って何?

 フェミニズムやフェミニスト、最近ではFemtech(フェムテック)など、近年『Female(女性)』をキーワードにする思考や分野が存在感を表しています。女性がイニシアチブをもってイキイキと活躍できる社会作りはとてもいいこと。一方で何がフェミニズムで、どこからがフェミニストなのか、その定義を考えると深い闇をさまようことになります。

 このドラマは、アラサーの女性を主人公にしているからこそ、生理や更年期、出産や不妊、乳がん検診など、女性の特有の身体の悩みや病気について触れていますが、決して押し付けがましくないのが特徴。それでいて、がんばる女性たちの肩の力がふっと抜けるような、素敵な名言も散りばめられているので、一部を紹介しましょう。

自分(写真右)と正反対な姉(写真左)とは皮肉を言い合ってばかり
自分(写真右)と正反対な姉(写真左)とは皮肉を言い合ってばかり

『私のおっぱいがもっと大きかったら、私はきっとフェミニストにはならなかったわ』

『女性は生まれてから死ぬまで痛みを感じてばかり。男は痛みを感じて生きていることを味わいたいがゆえに、痛みを伴うことをしたがる』

『更年期って素晴らしいわよ。もう誰にも何にも縛られることがないの。自由を感じたわ』

 30代半ばの私はまだ更年期を経験していないけれど、このセリフを聞いて、更年期が来るのが少し楽しみになりました。私自身2人の子供を出産して以来、正直生理を煩わしいと思うようになっていました。あと何年生理と付き合わなければならないのだろうか、と鬱々としていたのです。

 もちろん生理の役割は子供を生むことだけではない、そうとは分かっているのですが、日々母として忙しすぎる私は、『もう女の役目を終えさせてほしい』とさえ思っていたのです。そんな中、更年期を迎えた女性からの、『誰にも何にも縛られない』という言葉はとても心強いものでした。『女の役目を終える』のではなく、『自由になる』。こう思うとすごく楽になったのです。

 フェミニストでもそうでなくても、片意地張らずに見られるのがこのドラマのいいところ。『フェミニズム』云々というより、女性ってこんなもんだよね、30代ってこんな感じだよね、今を生きる私たちってこんなに大変だよね、でもなんとか生きているよねって、フリーバッグを始め、登場人物たちがさらっと教えてくれるのです。誰かの言葉が今のあなたの心に響くかもしれません。