Z世代向けマーケティング事業を手掛けるメンメイズ代表の前田沙穂さんに、Z世代が今、どのようなカルチャーに魅了されているのかを解説してもらう本連載。今回のテーマは「バズ消費」について。SNSでバズった商品がすぐに売れる「バズ消費」がZ世代の中で主流になっています。SNSをきっかけとする消費行動や、その背景について解説します。

YouTuberのプロデュースブランドが販売初日で6000万円を売り上げる

 影響力を持ち、一定のファンを獲得したYouTuberがブランドを立ち上げる流れが主流となっており、チャンネル登録者数約132万人の、かすさん(24)が21年3月よりプロデュースする「Boka nii(ボカニー)」は、販売初日で売り上げが6000万円を突破しています。

 また、登録者数約335万人を誇るグループYouTuber「コムドット」もブランドを立ち上げていますが、メンバー一人ひとりのファッションセンスの評価も高く、インフルエンサーのファッションを紹介するフォロワー数約4.1万人のInstagramアカウント「moment(@moment.fashion)」でも、頻繁に紹介されています。

 SNSを上手に扱うインフルエンサーは、DMなどでファンの意見や要望などを収集し、プロデュースする商品や私服に取り入れているため、センスにたけた発信が得意です。さらにファン側も、インフルエンサーがSNSに投稿している内容から「本当にいい商品なのか」を敏感に感じ取っているため、読者モデルと同様に「彼らの感性で選んだものだから、きっといい商品なのだろう」と信頼し、バズ消費を生み出しているのです。