フィジーで英語学校の校長を務める筆者は「日本・フィジー・デンマーク」の世界3拠点生活(トリプルライフ)を実践しています。現在は新型コロナウイルスの影響により、フィジーにとどまっています。今回は国民の90%が働いておらず「国民総ニート」とやゆされる国、ナウル共和国の話をしたいと思います。対して、勤勉に働く国民性から「エコノミックアニマル」とやゆされてきた日本人。私たちはなぜ「働く」のでしょうか。その意味をナウル共和国から考えてみたいと思います。

「国民総ニート」

 私が住むフィジーから北へ2000kmちょっとの距離にあるナウル共和国。国名を聞いても、ピンとくる日本の方は少ないかと思います。世界で3番目に国土が小さい国(東京都品川区くらい)であり、世界で4番目に人口が少ない国(約1.3万人)です。

ナウルの夕焼け
ナウルの夕焼け

 また、国民の約9割が働いておらず「国民総ニート」とやゆされる国。1980年代までは世界有数のお金持ちの国でしたが、そこから転落したことで反面教師として扱われることが多い国です。

 日本だけでなく海外のメディアでも、ナウル国民が不幸になったように描きますが、実際にそうなのでしょうか。私には資本主義的な価値観から見過ぎているようにも感じられます。

 ナウルとは正反対で「エコノミックアニマル」とやゆされてきた日本。「働く」の意味を探求するために、あえて「働くという概念」がないナウルを題材に考えてみたいと思います。