フィジーで英語学校の校長を務める筆者が「日本・フィジー・デンマーク」の世界3拠点生活(トリプルライフ)を実践する。なぜ3拠点なのか、どういう生活を送っているのか。トリプルライフのメリット・デメリットすべてをお話しします。第2回のテーマは「フィジーとデンマークに決めた理由」です。※この記事は、2020年2月末に執筆されたものです。

 前回(なぜ今「トリプルライフ」なのか 幸せを追い求めて)は、私がトリプルライフを送るに至った経緯について書きました。第2回では、なぜ海外拠点として「フィジー」と「デンマーク」という、対照的な2つの国を選んだのかについて説明します。

フィジーを移住先に選んだ理由

 まずは、フィジーを選んだ理由から。

 移住前に世界一周の旅をする中で、自分が住んでみたいと思う国の「要素」が徐々に明確になっていきました。フィジー移住を決めた2007年当時は、以下の7つの要素を大切にしており、それらをバランスよく満たしている国がフィジーだったのです。

1.国民が幸せ

幸福には、伝染する性質があります。ある研究によると、近しい知人が幸福だったとき、自分の幸福度は約15%上昇し、知人の知人が幸せだった場合でも、約10%上昇するそうです。知人の知人、さらにその知人が幸福だった場合でも、約6%上昇するのだとか。つまり、国民の幸福度の高い国にいれば、特に何もせずともハッピーな気持ちになれるということです。

2.治安がいい

世界一周の旅では、治安のよくない国や地域も旅しました。そういう国では、街を歩くときは常に周囲へ目を配り、頻繁に背後を振り返ったりしてストレスを感じました。日本ではあまり感じにくい類いのストレスだと思います。しかし、日本は世界でも有数の安全な国。他国へ拠点を移す場合、治安レベルはほぼ確実に低下しますが、その落差はなるべく小さくしたいと考えました。